文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

オトコのコト 医師・小堀善友ブログ

妊娠・育児・性の悩み

左の陰のうに血管が浮き出ていたら

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 まずは、質問です。皆さん、「せいさくじょうみゃくりゅう」をご存じですか? 仮にテストで問われたら、漢字で書けますか?


 正解は、精索静脈瘤です。ご存じの方は、あまりいないでしょう。私も泌尿器科医でなければ絶対知らなかったと思います。

 精索静脈瘤というのは、主に左側の陰のう周囲にできる血管のまり、コブみたいなものです。血管が拡張して血液が滞っている状態です。男性は、自分の陰のうを見てください。タマの付け根の当たりに、血管がギョロギョロ浮き出ている方はいらっしゃいませんか? それが、静脈瘤かもしれません。

 まず、確認したいのは、静脈瘤があっても、生きていく上では問題がない場合がほとんどだということです。症状がない方は全く気にする必要はありません。

 でも、2つの問題を引き起こす可能性があります。痛みと、男性不妊症です。精索静脈瘤があると、血液が逆流することによって痛みが起きたり、逆流血による酸化ストレスが精巣にかかり精子にダメージを与えたりするおそれがあります。その結果、不妊症の原因になるとされます。

 治療方法には、手術があります。精子に問題がある患者で、静脈瘤のある方の半分以上は手術によって改善が期待されます。

 私が担当したあるご夫婦も、男性不妊が原因で顕微授精でも妊娠できなかったのですが、ご主人を診察すると、静脈瘤が見つかりました。手術をしたところ、その後自然妊娠ができた、というケースもありました。

 さらに、そのご夫婦は、二人目のお子さんも自然妊娠で授かりました。

 先ほど申し上げた通り、効果が出る患者さんは半分であるのですが、治療できる男性不妊症の一つであるので、陰のうの周りの血管が気になる人は一度泌尿器科で診察してもらってください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

オトコのコト_小堀善友顔120px20150821

小堀善友 (こぼり よしとも)

泌尿器科医 埼玉県生まれ

2001年金沢大学医学部卒、09年より獨協医科大学越谷病院泌尿器科勤務。14年9月から米国イリノイ大学シカゴ校に招請研究員として留学。専門分野は男性不妊症、勃起・射精障害、性感染症。詳しくはこちら
主な著書は『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)。詳細はこちら

オトコのコト 医師・小堀善友ブログの一覧を見る

最新記事