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元気なう

(3)聴力維持へ「筋肉」鍛える

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 難聴には今のところ特効薬がないので、予防策と、現在の聴力を低下させないことが大事だ。「その重要な鍵を握っている一つがアブミ骨にくっついている筋肉(アブミ骨筋)」と国際医療福祉大学病院耳鼻咽喉科部長の中川雅文さんは説明する。

 鼓膜から伝わった振動を調整して、聞こえやすくする、わずか3ミリほどの、体内で一番小さな伸筋で、これをコントロールしているのが顔面神経だ。大きな音が入ると収縮して、耳のダメージを軽くする。大声を出す仕事にもかかわらず、舞台役者に難聴者が多くないのは、アブミ骨筋をうまく働かせているためだ。

 アブミ骨筋は意思では動かせないが、楽しい、幸せと感じている時は、筋肉もリラックスしてよく働く。体調が悪かったり、怒っている時はよく働かず、いやな音がどんどん入ってきて、難聴や耳鳴りの原因になる。アブミ骨筋を良い状態に保つことが大切になる。

 簡単な方法として、中川さんは音楽のある生活を勧める。ハミングしたり歌ったりしながら聞くことで、アブミ骨筋をリズミカルに動かすことができ、ストレッチやマッサージと同じ効果が得られる。

 ストレスを抱えたり、運動不足の人には「耳栓をしての散歩」もお勧めだ。10分以上歩いて耳栓をはずすと、アブミ骨筋のコリがほぐれるだけでなく、聞こえが良くなったような爽快感も味わえる。

 耳の筋肉は顔の表情筋と連携している。不機嫌な顔やポーカーフェースは、耳に良くない。自然な笑顔、表情豊かな顔も難聴の予防になる。(斉藤勝久)

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