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いのちに優しく いまづ医師漢方ブログ

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コーヒーにも合うシナモン 実は薬草です

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 子供の頃、知り合いの方がお土産に持ってきてくれる京都の銘菓には、いつもニッキが使われていて、口の中に入れると独特の香りが鼻から抜けていきました。このお土産を兄弟で心待ちにしていたことを覚えています。このお菓子に使われていたのが、シナモンでした。

 最近では、コーヒーショップにシナモンのパウダーが置かれているので、ご存じの方もおいでだと思いますが、これが薬草の一種だということは、あまり知られていません。

 シナモンは、「桂皮けいひ」「桂枝けいし 」と呼ばれています。シナモンの木は、暖かい土地で発育する樹木で、この木の皮や枝を薬草として使います。

 アロマテラピーでもシナモンのオイルを使うそうです。

 シナモンは、様々な漢方薬に含まれています。風邪薬で使う葛根湯(かっこんとう)、過敏性腸症候群に使う桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)、排尿障害に使う五苓散(ごれいさん)などです。


 シナモンの使い方は、3つに分けられます。

 一つ目は、上半身の症状に使います。その代表が、風邪の初期症状に用いられる桂枝湯(けいしとう)です。桂枝湯は、漢方薬の基本となる薬と言われています。皮膚にゾクゾクと寒気が走ったり、熱が出始めたりしたときに使われる薬です。冬の寒い時期など、ちょっとした体調の変化があったときにはシナモンをうまく使うと風邪の予防につながります。

 二つ目は、おなか の症状に使います。消化管の運動が低下してもたれたり、お腹が張ったりしたときに使います。過敏性腸症候群のように下痢をしたり便秘をしたりと症状が変化する場合にも、同じ桂枝加芍薬湯で治療を行います。

 三つ目は、下腹部の症状に使います。女性の月経に関係する症状に、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)などのシナモンを含んだ漢方薬を用います。


上半身の症状

風邪、動悸どうき、胸焼け

桂枝湯、炙甘草湯(しゃかんぞうとう)、黄連湯(おうれんとう)

お腹の症状

腹痛、腹満

桂枝加芍薬湯、小建中湯(しょうけんちゅうとう)

下腹部の症状

月経不順、排尿障害

桂枝茯苓丸、桃核承気湯、五苓散



 このようにシナモンは、わたしたちの体調管理になくてはならない薬草の一つです。これから冬本番、みなさんも、積極的にコーヒーへシナモンパウダーを入れて、健康管理をしてみてはいかがですか。

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いまづ医師の漢方ブログ_顔120

今津嘉宏(いまづ よしひろ)

芝大門いまづクリニック(東京都港区)院長

藤田保健衛生大学医学部卒業後に慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。国立霞ヶ浦病院外科、東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センター等を経て現職。

日本がん治療認定機構認定医・暫定教育医、日本外科学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

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