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幼児食 かんで食べる練習
大きさ、硬さ考慮 味つけ薄く
離乳食から移行する「幼児食」で、何をどう与えていいのか分からないと戸惑う親も多い。専門家は、「かんで食べる練習をさせながら、食事を楽しむことを心がけてほしい」と話す。
「大人と同じ菓子を食べさせて大丈夫?」「食材の味つけやどの程度の大きさに切ればいいのか分からない」
1歳の子どもを持つ保護者を対象に、神奈川県藤沢市で毎月実施している「子どもの食生活教室」で寄せられる主な相談内容だ。
先月の教室に参加した同市内の母親(39)は、「野菜を食べなくなってきたのが心配。どうしたら好き嫌いがなくなるのか教えてほしい」と相談していた。
管理栄養士で同市子ども健康課の稲葉佳子さんによると、一般的に、母乳やミルクで育ててきた赤ちゃんに、食べ物をなめらかにすりつぶした状態の離乳食を与えるのは生後5、6か月ごろから。その離乳食を完了した1歳半くらいから就学前くらいまでの食事を幼児食と呼ぶ。
幼児食は、味覚の発達や規則正しい食生活を身につけるうえで大切だ。しかし、多くの出版物があり市販のレトルト食品が出回っている離乳食に比べて、幼児食に関する情報は少なく戸惑う親も多いという。
例えば、調理方法。離乳食を完了しても、いきなり大人と同じような大きさや硬さの食事は無理。一方、小さく刻み過ぎると、かまずにのみ込んでしまうこともある。
「歯の生え具合などその子の成長に考慮しながら、かまないと食べられない大きさや硬さのものなどを与え、しっかりとかんで食べる習慣を身につけさせてほしい」と稲葉さんは話す。蒸しパンやバナナなどを子どもに持たせて食べさせてもいい。
味つけも重要だ。強い甘みや塩分の多い濃い味つけに慣れてしまうと、味覚の発達を損なうこともある。素材の味を生かした薄味を心がけたい。
白梅学園大学准教授の林薫さん(小児栄養学)によると、子どもは一度に食べられる量も消化できる量も少ない。3度の食事だけでなく、おやつも食事の一部と考えて栄養を補う必要があるという。
ただ、欲しがるままにスナック菓子を与えるのは逆効果。「小さなおにぎりに麦茶、芋類や果物、乳製品などがおすすめ」と林さん。
また、幼児期からは好き嫌いが始まることもある。ただ、大人と違い、その食材そのものではなく、調理方法による食感が嫌で食べないこともある。
食べないからとあきらめず、調理方法や味つけを変えるなどして、食卓に出すようにする。大人がおいしそうに食べていると、それにつられて食べられるようになることもあるという。
「ご飯などの主食や肉や魚などの主菜に、野菜の副菜を組み合わせるなど栄養のバランスに気を配りながら、親子で食事を楽しんでほしい」と林さんは話している。
【幼児食の例】
豆腐入りハンバーグ
〈1〉ゆでたほうれん草の葉先を刻む
〈2〉《1》と豚ひき肉15g、豆腐15g、パン粉小さじ1杯、牛乳小さじ1杯、しょうゆ少々をボウルに入れて混ぜる
〈3〉《2》をまとめて小判状にし、少量の油をひいたフライパンでふたをして蒸し焼きにする
※ほうれん草でなく根菜類やきのこ類などもお薦め。
子どもが苦手な野菜を刻んでハンバーグに入れてもいい。
まとめて作り、冷凍保存しておくと便利。
(藤沢市子ども健康課の資料をもとに作成)
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