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(1)特別講演 「長寿県」支える日常指導

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 「がん どう治す どう生きる」をテーマに、医療ルネサンス松本フォーラムが10月27日、長野県松本市のキッセイ文化ホールで開催された。信州大学病院信州がんセンター長の小泉知展さんが、「長寿県とがん 最新事情」と題して特別講演。続いて、ともにがんの経験者である菅谷昭・松本市長と俳優の樹木希林さんが対談し、がんとの付き合い方について語り合った。詰めかけた約700人は熱心に聞き入っていた。
 (コーディネーター 読売新聞東京本社編集局次長兼医療部長〈現編集局総務〉・みなみまさご


【主催】読売新聞社
【共催】松本市
【後援】長野県、テレビ信州、市民タイムス、テレビ松本、信州大学病院、

松本市医師会、松本市歯科医師会、松本薬剤師会、松本信用金庫、
松本市立病院、長野県看護協会、長野県診療放射線技師会中信支部、
長野県栄養士会中信支部

【協力】松本大学、相澤病院

信州大学病院信州がんセンター長 小泉知展(こいずみ・とものぶ)さん

 1985年、信州大学医学部卒。小諸厚生総合病院内科医長などを経て2012年から信州大学医学部教授。今年4月、信州大学病院に新設された信州がんセンターのセンター長に就任した。


 がんになろうとする遺伝子の異常というのは、我々の体の中で頻繁に生じていますが、免疫の力で、がんが増殖しても、自然死したりしてバランスが非常にとれているんです。こういった免疫細胞によって、我々は異常細胞を制御しているのですが、年を取るに従って、免疫力が低下してきます。

 年齢だけでなく、がんになりやすいような遺伝子もあります。高齢化すると、免疫力が低下し、がん化しやすいのです。

 日本全体で、1年間のがんの死亡者数、がんになった人数は、ともに増加しています。ところが、死亡率は減少傾向です。一方で、高齢者のがんが増えてきています。高齢者のがんの患者さんは、様々な合併症を持つようになるため、治療の選択肢が限られるというような制限が出てきてしまいます。長野県の場合、74歳まではがん死亡率が非常に低いのですが、それ以上の年齢だと、どうも死亡率が高そうだと言えます。

 がん対策を考える上で、1次予防、2次予防という考え方があります。1次予防に関して、代表的なものに禁煙があります。全てのがんで、喫煙はリスクとなり得ます。食生活や運動なども1次予防に含まれます。2次予防は、検診です。検診を受けることによって早期発見、治療をしましょう、ということです。

 信州大学と松本市で行ってきたことを紹介したいと思います。コンピューター断層撮影法(CT)による肺がん検診です。一般的に、レントゲンに比べてCTを撮ると、がんの発見率は7~10倍高くなると言われています。このCTを積んだバスが利用されており、松本市のがんの早期発見につながっていると考えられています。

 禁煙とか、食生活を改善するとか、運動をするという1次予防は、がん対策だけではなくて、生活習慣病の対策にも欠かせません。

 長野県が長寿県になってきている理由について、簡単には言えないのですが、大きな動きとしては、同県佐久市の佐久総合病院が地域の住民に行う、健康指導などが挙げられます。

 1945年から始まった保健補導員制度も大きいと思います。これは住民による自主的な組織で、保健師さんたちの仕事を手伝う補導員がいて、住民一人一人の家を訪問し、家族構成や、どういう病気にかかっているとかを綿密に調べて、生活指導を行っています。また、食生活改善推進協議会の活動が67年から始まっています。こちらも「今日のみそ汁は少し塩分が多いね」などと、地域の食生活の指導を行っています。

 これらのことが、がんの予防や、健康意識の高さに表れているのではないかと思います。働き盛りの人たちが、がんの予防をしていくことが、意識として必要だろうと思います。この中で、食事に気をつけ、運動をするなどして、生きがいを持って「自分の人生を生き切る」ということが大事だと思います。

 健康は、良い習慣の積み重ねによって、維持されます。「病気にならないこと」に力を注いでいくべきだと思います。

 
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