文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

いのちに優しく いまづ医師漢方ブログ

yomiDr.記事アーカイブ

自分の健康を知る方法(9)「元気」を作る気力、体力、消化力

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 木枯らしが吹き、寒さが一段と厳しくなってきた今日この頃ですが、みなさんは元気に過ごされておいでですか。

 「元気」のバロメーターは、一人ひとり、異なると思います。朝起きたときに、気分よいときは元気だと感じたり、食べ物がおいしく感じるときは胃腸が元気な状態と考えたりする人もいるでしょう。

 この「元気」という目に見えないものを漢方医学では「気(き)」として考えます。


 「気」には、3つの要素があります。

 1つめは、精神的なものをいいます。これを「空気」のようなものと考えれば目には見えませんが、「気分」「気合」「気持ち」「雰囲気」など顔の表情に表れるものと考えれば、目にも見えますね。「気分が悪い、気が滅入めいる、気が気じゃない、気のせい、気持ちが落ち込む、気力がない、気にしすぎる」といった言葉を皆さんもよく使うと思います。心の葛藤など精神的ストレスは「気」の異常と考えます。

 2つめは、体力的なものをいいます。「最近、どうも元気がない」「週末になると元気がなくなる」「よく友人から元気が足りないと言われる」など、元気は、目に見えるような、見えないような、不思議な存在です。「元気がない、疲労困ぱい、すぐに足が疲れる、目が疲れる、活動性が落ちる、活気がない、力が出ない」など肉体的ストレスは、体力的な「気」の異常と考えます。

 3つめは、消化力をいいます。胃腸の調子については自覚しやすいのですが、他人にはわからないつらさがあります。「胃が疲れている、胃がもたれる、胃が痛む、ゲップが出る、すぐに下痢をする、消化不良、おなかをこわす、おならが出る」などは、消化力の「気」の異常と考えます。

心も体も疲れた時は

 このような「気」の異常の治療には、さまざまな対応が必要になります。西洋医学では、体力が低下していたら栄養療法やリハビリテーション、精神的に落ち込んでいたら向精神薬などによる心療内科での治療やカウンセリング、消化器疾患ならば消化器内科と、いろいろな診療科を訪ねる必要があります。

 しかし、漢方医学ならば、全部まとめて診断から治療が行えます。元気がないときは食欲もわきません。精神的ストレスが多いときは、食べ物の味がわからなかったり、消化不良を起こしたりします。症状はひとつではありません。こんなときこそ漢方医学の出番です。

 元気がなく精神的にも肉体的にも疲れている場合は、「気虚(ききょ)」と考えます。気虚には、人参湯(にんじんとう)を中心とした漢方薬を用います。四君子湯(しくんしとう)、六君子湯(りっくんしとう)といった漢方薬も人参湯の仲間です。

 「気虚」を治すには、胃腸を整えて消化吸収力を増し、エネルギーを増すことで、元気になっていきます。これが漢方医学の治し方です。

 たくさんの診療科を受診されている方、ぜひ一度、漢方医学の診断を受けてみてはいかがですか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

いまづ医師の漢方ブログ_顔120

今津嘉宏(いまづ よしひろ)

芝大門いまづクリニック(東京都港区)院長

藤田保健衛生大学医学部卒業後に慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。国立霞ヶ浦病院外科、東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センター等を経て現職。

日本がん治療認定機構認定医・暫定教育医、日本外科学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

いのちに優しく いまづ医師漢方ブログの一覧を見る

最新記事