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国民年金保険料の徴収強化

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作図 デザイン課・蟹田純

 国民年金の保険料を納めない人が多いそうですが、国はどんな対策を取っているのですか?

督促推進や職員増員検討

 自営業者や学生など国民年金だけに加入する人は、自分で手続きして保険料を納める必要がある。だが、自主的な納付が原則で罰則もないため、滞納する人も目立つ。

 2012年度の国民年金の保険料納付率は59%と、3年連続で60%を下回った。

 日本年金機構では、保険料を払わない人に対し、段階的な徴収対策を実施している。

 まず、戸別訪問や電話などで納付を促す「督励」。原則として未納が1か月でもあれば対象となる。応じない人には、期限を定めて納付を求める「最終催告状」を送付。年間所得400万円以上で未納13か月以上など、一定の基準に該当する人が対象だ。

 催告に応じない場合には、財産差し押さえの前段階として、「督促状」を送付。支払期限を通知し、これを過ぎれば延滞金が加算される。それでも納付の見込みがなければ、本人に予告のうえ、預貯金などを差し押さえる。

 同機構では近年、督励などを大幅に増やしてきた。だが、2年以上の滞納者296万人に対し、徴収対策の担当職員は約700人。12年度は督促が約3万4000件、差し押さえは約6200件にとどまる。一方、時効(2年)で徴収不能になった分が未納月数全体の75%(09年度)に上る。

 このため、厚生労働省は徴収対策の強化へ向けて、10月に専門委員会を設置。具体策としては、督促の推進や職員の増員が挙がっている。督促を行うと徴収時効を先延ばしできるため、全滞納者に実施することも議論されている。

 低所得者向けの保険料免除制度の手続きも見直される方向だ。現在は、本人の申請が必要で、それを知らずに未納となっている人も多い。そこで、市町村の所得情報をもとに申請書を送り、手続きを促す方法などが挙がっている。

 納付機会を増やすため、支払い時効(2年)を過ぎた保険料のうち過去10年分を特例的に納付できる「後納制度」(15年9月までの時限措置)の恒久化も検討されている。

 未納者には年金も支給されないため、年金財政への影響は小さい。しかし、老後に無年金・低年金になるなど本人の不利益が大きい。実効性ある納付率向上策が求められる。(安田武晴)

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