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糖質制限…行きすぎは問題かもしれないが

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 糖尿病の食事療法として「糖質制限食」が論議を呼んでいます。血糖値を適切に保つには、ごはん、パンなど主食に多く含まれる糖質の量が問題であるとするもので、摂取カロリーの総量を基本とする従来の食事療法とは、大きく考え方を異にするためです。

 糖質制限の考え方そのものは古くからあったようですが、注目されたきっかけは、米国の糖尿病学会が効果に一定の評価を示したことでした。糖質制限食について解説した出版物も書店に並ぶようになりました。

 従来のカロリー制限だとなかなかうまくいかなった患者でも、主食だけを制限するこの方法であれば続けることができるなど、一般の関心も高まりました。

 これまで、「異端視」してきた日本の学会も見過ごせなくなったのか、今年3月の提言は、極端な糖質制限は、科学的な根拠がなく、「現時点では勧められない」としたうえで、糖質の摂取量を減らす方法にも一定の理解を示す内容となりました。

 11月、糖尿病の食事療法の教科書である「食品交換表」第7版が出版されました。それまでの第6版から約10年ぶりの改定です。

 特筆すべき変化は、従来カロリー別の1パターンだった献立が、炭水化物(糖質)の割合が60%、55%、50%の3つのパターンで、示されていることです。たとえば1日の摂取量が1200キロ・カロリーで、炭水化物の割合が50%の場合はどういう献立になるかを知ることができます。

 第7版ではもちろん、糖質の割合を考慮すること、糖質制限食とは別物であることが強調されています。とは言っても、糖質の割合という指標を取り入れたことは、従来のカロリー制限ありきの考え方から一歩踏み出したものと言えるでしょう。(田村良彦)


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