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介護施設の食費・居住費の見直し

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作図 デザイン課・小林早希

 介護施設で暮らす所得が低い高齢者にも、食費や居住費の負担を新たに求めると聞きますが本当ですか?

資産額に応じて自己負担

 特別養護老人ホーム(特養)や老人保健施設などの介護施設に入居すると、身体介助など介護サービスを受ける費用(1割負担)を払うほか、食費と居住費を負担する。特養で相部屋ならば月計5・2万円、個室だと計10・2万円の負担が標準的だ。

 2000年に介護保険が始まった当初は、食費・居住費も介護保険から支払われていた。だが、自宅で介護サービスを使う高齢者との公平性を欠くとの批判があり、05年から入居者は原則、食費・居住費も負担することになった。ただ、低所得の人には、負担を軽減することにした。

 軽減対象は、年金や家賃収入などの所得が少なく、住民税非課税の世帯。年金収入のみの単身者なら年収155万円以下が対象だ。所得に応じて3段階の負担軽減制度が導入された。

 例えば、年金収入が年80万円以下の人が特養の個室で暮らす場合、月6・5万円が保険から補助され、本人負担は月3・7万円に減る。11年度には対象者が103万人に上り、補助総額は2844億円だった。

 しかし、所得は低くても、不動産など多額の資産を持つ人はいる。国民生活基礎調査では、年収150万円未満の高齢者で、預貯金などが1000万円以上ある人が11%(10年)いた。

 このため、一定の資産がある人は、低所得でも補助対象から外すことになった。実際の経済力に応じた負担を求める狙いで、国は15年度にも実施する方針だ。

 国の案では、預貯金・有価証券が夫婦で2000万円以上、単身者で1000万円以上ある場合や、自宅建物や土地など不動産の資産が2000万円以上(固定資産税評価額)ある場合は、食費・居住費は自己負担となる。

 不動産があってもすぐ現金にできない人には、不動産を担保に市町村が貸し付ける制度を作り、死後に返済してもらう案を検討中だ。ただ、資産を正確に把握するのは難しく、事務負担も大きい。預貯金額などは自己申告に頼ることになる。公平な仕組みとするため工夫が必要だ。(野口博文)

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