海原純子のハート通信
yomiDr.記事アーカイブ
正しい情報で医療サポート
2年間お付き合いいただきました私の連載も、今月で終了します。
この間、読者の皆さまには、震災時のツイッター情報に関する調査や、がん治療選択に関する調査にご協力いただき、本当にありがとうございました。
震災時のツイッター使用に関する調査は、アメリカの医学学術誌に発表し、要旨については読売新聞の論点に掲載しました。また、がんに関する調査は今年度、シドニーで行われたWCLC(世界肺がん学会)で発表しました。今、この結果をもとに、がんの患者さんが治療を選択する際、医師とのコミュニケーションを良くし、選んだ治療に満足できることをサポートする補助ツールを開発し、臨床応用するためのプロジェクトを進めています。
これまでの連載は、最新トピックスを主に学会誌などからピックアップして紹介してきました。とっつきにくい内容も多かったかと思います。
私の専門はストレスのサポートですが、サポートにもいろいろな種類があることを知っていただけたのではないかと思います。これまで医療の分野でのサポートというと「直接的な治療」だけだと思われてきました。しかし、サポートには「情報というサポート」、そして「共感というサポート」「援助への期待というサポート」などがあります。
正しい情報を伝える医療サポートは、これからの日本の医療サポートに必要なことなのだと思います。
【関連記事】
ホットトピックと原則を 薬物副作用
寺田次郎 関西医大放射線科不名誉享受
ここは天国じゃないんだ かといって地獄でもない・・・ なんて歌がありましたが、健診などで色んな患者さんに接していると、結構ややこしい患者さんに出...
ここは天国じゃないんだ かといって地獄でもない・・・ なんて歌がありましたが、健診などで色んな患者さんに接していると、結構ややこしい患者さんに出会うことがあります。
高血圧の薬で副作用が出ているらしい状況で、主治医が薬剤変更も再検査もしてくれない・・・とか。
僕は主治医ではありませんので、投薬をいじりませんが、投薬のきっかけも来院時に急いでいたことによる血圧上昇だったようでした。
その後、四肢の筋力低下で、震えが強くなってきて・・・パーキンソン症候群だったかパーキンソン病と診断されさらに投薬開始。
(降圧剤の不適切投与であればあり得る症状です。)
高血圧の診断プロセスも問題なら、四肢の筋力低下と震えを混同するのも問題です。
多分、医者は忙しくて話を聴いてなかったんでしょうね?
勿論、患者さんの訴えがどこまで正しいかは分かりませんし、診察室では診察室での検査結果やストーリーがあります。
ただ、検査の実行や治療の実行ばかりにコストがかさむ現代では・・・結構微妙な問題です。
モラルにお金は支払われませんからね。
そんな現代だけに、患者さんも新聞などを活用して、情報や発想を蓄積していく必要があるように思います。
つづきを読む
違反報告
情報の幅と一般解
寺田次郎 関西医大放射線科不名誉享受
読売新聞と先生の与えてくれた場や話題をきっかけに色々考えたり、発信する機会を頂いて感謝しています。おっしゃられるように、読み手の知識レベルや検索...
読売新聞と先生の与えてくれた場や話題をきっかけに色々考えたり、発信する機会を頂いて感謝しています。
おっしゃられるように、読み手の知識レベルや検索能力を引き上げる正しい情報というものはとても重要で、下手なお医者さんの診察より有益です。
この「正しい」にも幅や深みというものはあって、万人に理解しやすいものから、より専門的なものもあります。
どちらが正しいとは断定できません。
なぜならば、医療は患者と医療者のコミュニケーションの中に存在するからです。
例えば、うつ状態に励ましは原則禁忌(禁止)とされますが、本当に相手を見抜く目を持った人であれば、その原則どおりである必要はありません。
しかし、誰が、何を、どの程度の責任感で・・・という話であれば、万人に理解しやすく、実行しやすい正解です(一般解)。
最初に一般解を知ったうえで、掘り下げていくというプロセスは悪くないことと思います。
そういう中で、先生が挙げられてきたたくさんの話題は意義深かったと思います。
先生のますますのご活躍を期待しています。
つづきを読む
違反報告