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いのちに優しく いまづ医師漢方ブログ

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自分の健康を知る方法(7)胃を守るポイント

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 食欲の秋、みなさんは季節の食材、楽しく召し上がっていらっしゃいますか。山の幸、海の幸など、秋には味覚を刺激するたくさんの食材が八百屋さんや魚屋さんの店頭に並んでいます。昔から季節のものを食することは健康にも良いと考えられています。流通機構が整備されていなかった時代には、なかなか手に入らなかったものが、現代では容易に家族団らんの食卓に並べることができます。

 しかし、せっかくのごちそうも、胃がもたれたり、胸焼けがしたりなど、体調が悪くては、食欲がわきません。

 胃の調子を良くする方法を考えてみましょう。自分の舌を診て胃の調子を知る方法は、「苔(こけ)」「歯形」でした(2013年10月4日「自分の健康を知る方法(1)朝、舌を見る」参照)が、もしも調子が悪いとき、胃を整えるにはいくつかポイントがあります。


1.温かいものを最初に胃の中へ入れること
 消化管の働きは、温度によって左右されます。冷たい食べものは胃の動きばかりでなく、腸の動きも悪くします。特に寒い時期の食事は注意が必要です。「サラダは体にいいから」と、コンビニで買った冷たいサラダを一番最初におなかの中へ入れてしまうと、一気に胃が固まって動かなくなります。消化力は落ち、胃もたれの原因につながります。

 そこで、食事をするときには、かならず温かい飲み物や食べ物を先に胃の中へ入れてあげるようにしましょう。そうすることで胃の内側に暖かい布団を敷いてあげることができますから、あとから入ってくる冷たい食べ物で胃の壁を傷めることはありません。


2.濃いものは、うすめること
 塩味、甘みなど、お好きな方はどうしても濃い味つけになってしまいます。濃い味の食べものは、濃度も高く、浸透圧も高くなりがちですから、直接、胃の粘膜を刺激します。胃粘膜の炎症やびらんなどの原因になります。

 味の濃いものを食べるときは、いっしょに薄味のものと組み合わせるように心がけましょう。


3.軟らかいものでも、よく噛みましょう
 硬いものをまないで飲み込んでしまうと、のどにつかえてしまいますから危険です。柔らかいものもよく噛まないといけません。どんな食べ物でも、噛まないで飲み込んでしまうと消化するために胃をいつもより働かせなければなりません。胃を必要以上に使うことで胃が疲れてしまい、胃もたれの原因にもなります。

 わたしが小さい頃、祖母から「食べ物ばかりでなく、飲み物もよく噛むように」とよく言われました。噛むことで唾液が分泌され、食物繊維が細かくなり消化を助けてくれます。噛むことの効用は消化ばかりでなく、脳へ対しても有効です。噛むことによって脳へ刺激を与え、ボケの防止にもつながります。



 漢方薬には、「健胃剤」というものがあります。胃を健康にする薬です。胃の調子を整えてくれます。その代表が六君子湯(りっくんしとう)です。最近の研究では、六君子湯に含まれるソウジュツという薬草が食欲中枢に働いて、がんによる食欲低下を改善することがわかっています。また、実験では、六君子湯がマウスの食欲を増すばかりか、がんにかかったマウスの寿命も改善するという結果がでています。

 衣食住のうち、健康な体を作るには、食を整えることがもっとも重要です。健康を保つために、食材ばかりでなく、食べ方にも注意して、健康管理をされてはいかがでしょうか。

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いまづ医師の漢方ブログ_顔120

今津嘉宏(いまづ よしひろ)

芝大門いまづクリニック(東京都港区)院長

藤田保健衛生大学医学部卒業後に慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。国立霞ヶ浦病院外科、東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センター等を経て現職。

日本がん治療認定機構認定医・暫定教育医、日本外科学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

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