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「特定看護師」創設見送り…3年間の議論をむだにしないために

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 看護師が専門的な研修を受けたうえで一部の医療行為をできるようにすることが、厚生労働省の審議会で了承されました。保健師助産師看護師法の改正を経て、2015年度にも始まる見通しです。

 医師以外の医療に携わる職種のことを、コメディカルと呼びます。医療が高度化、専門化するなかで、医師とコメディカルが役割を分担しながら、チームで医療を担うのは昨今の大きな流れです。看護師の役割拡大もそのひとつです。今回了承された案では、医師の具体的な指示がなくても一定の薬の処方ができたり、床擦れの切除ができたりするとされています。

 約3年間に及ぶ審議会の下部組織での検討において、議論の中心だったのは「特定看護師」という新たな資格創設についてでした。ところが、最終案では、特定の行為ができるための研修制度という位置づけになりました。特定看護師という新たな資格を作ることは見送られました。

 医療行為の一部を担う看護師としては、アメリカでの診療看護師や麻酔看護師が知られています。なかでも診療看護師は、小児科や救急などの専門分野に分かれ、医師の足りない地域などで医療の一角を担う重要な役割を担っています。

 日本で、看護師の役割拡大が議論の俎上そじょうに載せられた当初、モデルにされたのは診療看護師でした。ところが、自ら開業して活動するなど医師からの独立性の高い資格であることから、導入に否定的な医師からの反発も強く、登場したのが、「特定看護師」なる日本オリジナルの名称でした。それも議論の過程だけのあだ花となって消えてしまいました。

 「名を捨てて実を取る」という考え方もあるかもしれません。ただ、名を捨てたがために中身まで伴わないような制度にならないことを、願いたいと思います。(田村良彦)


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