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からだコラム

[体の声を聴く]習慣変えて糖尿病改善

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 糖尿病と診断された50歳代の会社員Dさん。1日のタイムスケジュールと、体重、歩数計による運動量、自宅血糖値の測定を1か月間、記録してもらいました。

 そのうえで「血糖値が高い日とそうでない日を観察し、どのような習慣が血糖値に関係しているか見つけてください」と宿題を出しました。行動医学では、目に見え、客観的に観察でき、評価可能な行動や習慣に焦点を当てます。

 1か月後に来院したDさんは「夕食が22時以降になる翌日は血糖値が高く、20時までに食べると低い。歩数計はマイカー通勤で平均2000歩。体重は変わりません」。私は彼に「最も簡単に変えられる習慣は何?」と尋ねると、「マイカー通勤をやめること。一度電車で通勤したら8000歩も歩いていました」と言います。

 1か月後に来院したDさんの目は、輝いていました。体重が3キロ・グラム減り、糖尿病の検査数値が下がっていたからです。「先生、糖尿病って自分で治すことができるのですね」とDさん。この感情(自己効力感)が治療には大切です。

 次に、仕事のあるストレスの強い日と、くつろいだ休日の、1時間ごとの血糖値を測定してもらうと、両日の血糖値のグラフが別人のように違っていたのです。

 するとDさんは、「20時までの帰宅」に取り組み始めました。一つの習慣を変えようとすると、仕事の仕方など1日の習慣すべてに影響します。そしてDさんは、仕事中心だった価値観やライフスタイルまで変わり始めたのです。

 血糖値という「見えるもの」から出発し、「見えないもの」に進み始めたDさん。体から心への気づきが深まるに従い、糖尿病も改善していきました。(清仁会洛西ニュータウン病院名誉院長・心療内科部長 中井吉英)

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