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「いざ」に備え 火災保険特約

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延焼補償/再発防止策の支援

 マイホームが火事や台風で損害を受けた際、補償してくれる火災保険。近年は、補修以外の費用も出してくれる特約も増えている。景気回復期待を追い風に住宅市場も活況を呈しているが、購入時には火災保険もよく吟味したい。(香取直武)

隣家への延焼

 自宅が火災に見舞われた場合、建て替え費用のほかにも思わぬ費用が発生することもある。

 自宅から出火し、隣家に延焼させてしまった場合、失火責任法では、寝たばこなど、著しく注意を欠いた「重過失」と判断されない限り、隣家への損害賠償責任は問われない。しかし、現実問題として隣家に損害を負わせながら、何の対応もせずに自宅を建て替えて住み続けるのは難しいだろう。「類焼損害補償特約」は、こうした延焼による隣家の損害を補償するもので、保険金は最大1億円というケースが多い。

 逆に、第三者からの加害事故で自宅や家財が損害を受けた時、「弁護士費用等特約」に入っていれば、損害賠償請求を弁護士に委任した場合の費用を補償してくれる。あいおいニッセイ同和損害保険では、最大300万円まで補償する。

 東京海上日動火災保険の「住まいの選べるアシスト特約」は、火災や盗難などに遭った後の再発防止策を支援してくれる特約だ。再発防止に役立つIHヒーターやスプリンクラーのほか、防犯カメラ、植栽の設置など、決められたメニューの中から20万円分の設備を選ぶことができる。

必要を見極めて

 火災などの損害以外の特約もある。「建物電気的・機械的事故特約」は、省エネルギー住宅「スマートハウス」への関心が高まる中、太陽光パネルや蓄電器など、自宅に設置した機械設備が故障した場合に補修・交換費用を補償する。三井住友海上火災保険の商品は、床暖房やエアコン、IHヒーター、食器洗浄機、室内照明など、幅広い設備の故障に対応している。

 これらの特約は、大手損害保険はほぼ同様のものを提供しており、年間保険料はそれぞれ2000円程度が目安とされる。長期契約の途中で新たに追加できるものもある。

保険金目減りに注意

 本契約の保険金については、支払い方法が「新価」(再調達価額)と「時価」があり、注意が必要だ。

 例えば、3000万円で新築し、保険金も同額の3000万円の保険に加入、10年後に全焼の火事に見舞われたとする。時価で契約していると、10年間に家の価値が目減りしたと見なされ、保険金は全額支払われない。

 これに対し、新価契約は契約時保険金を上限に元と同じ家が建てられる費用を補償してくれる。ただし、新価契約でも保険金が減るケースがある。物価が下落し、同じ住宅を安く建てられるようになれば、その分保険金は減る。ただ、損害保険ジャパンの「ほ~むジャパン」のように、物価下落にかかわらず、契約時の保険金額を支払ってくれる商品もある。

 現在は新価契約が基本となっているが、過去に長期契約した人は時価契約の可能性もあるので、補償内容を確認するといいだろう。

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