ボンジュール!パリからの健康便り
医療・健康・介護のコラム
アルコール問題 フランスでも深刻
フランスのアルコール問題は深刻で、年間約4万9000人がアルコールが原因で死亡している。アルコールがもたらす問題は、病気、失業、事件、家庭内暴力など様々な形で現れる。
4万9000人のうち、アルコールに起因する肝硬変、がん、心血管疾患などでの病気で2万7000人が死亡している。もちろん年齢層によって死亡原因も違い、心血管疾患は高齢者に多く、若者は交通事故が多い。
若年層でもアルコールの問題を抱える人が増えている。エッフェル塔の立つシャン・ド・マース公園でイベントがあるときなどは、公園のあちこちの入り口に警察官が立ち並び、荷物検査をする。かなり厳しく、かばんのなかにワインやビールが入っていたら、その場で没収となる。何度もそんな光景を見た。
パリの若者は心得ていて、ジュース類にお酒を混ぜて持ち込むこともある。急性アルコール中毒やけんかなどで、待機している救急隊に担ぎ込まれるのも何度となく見た。地下鉄で物乞いしている人もなぜかお酒だけは飲んでいる。一体どこで手にいれるのだろうか?
アルコール問題を自覚して、相談や治療によるサポートを受けている人は、問題を抱えている人の約8%で、残り92%は自ら放置しているか、放置されているかのどちらかであるという。なかなか自分では打ち明けにくい問題であり、そういった相談所にアクセスしやすい環境作りも大切であると医師たちは言う。
健診などでは、問診で1日のアルコール量やタバコの数などを聞かれるが、ふだんの普通の診療でもアルコール問題などに言及し、アルコール中毒などの問題も恐れずに話せる機会を作ることも大切だと専門医たちは訴えている。
ちなみにフランスでは16歳以上が飲酒を認められている。
■ 今週の一句 誘われて 森の奥へと セップ茸 撮影:n.m
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酒は百薬の長。適度な飲酒は心身にとって悪くないと思います。現実にはコントロールが難しいので、害毒の方が大きくなってしまいがちなのかもしれませんね...
酒は百薬の長。
適度な飲酒は心身にとって悪くないと思います。
現実にはコントロールが難しいので、害毒の方が大きくなってしまいがちなのかもしれませんね。
ただ、人間には没頭する何かが必要であり、アルコール依存とは他に興味の対象が見つけられないことの裏返しなのかもしれません。
子供と違って、大人は色々制約が多いですからね。
個人的には社会人スポーツが盛んになればいいと思います。
いま、第36回高血圧学会に来ていますが、血圧に限らず生活習慣病には遺伝子的な側面が存在します。
アルコールも遺伝的に摂取できない人がおられますしね。
実験などでは、遺伝子導入などが行われていますが、その事が我々に問うているのはすべての性質にある両面性です。
例えば、遺伝子導入によってアルコールが飲めるようになって、友達が増える。
(愛煙家も友達になりますね)
一方で、中毒のリスクが発生する。
さて、正解は?
おっしゃられているように、知識や知恵を共有して、社会制度を整えていくことだと思います。
アルコールの害毒を主張するのも大事ですが、害毒ばかりを主張するのも意見の偏りを生んでしまいます。
どうせ人間は本質的に何か中毒になれるものを求めているのです。
仕事中毒は才能がいるので、それ以外の人のためにもさまざまな仕組みを整えていく必要があると思います。
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6人姉弟で私だけアルコールを受け付けません。消毒用アルコールで患部を拭いても真っ赤になるのです。
ところが、息子はビール好きで毎日500ミリリットル缶を3本開けます。50過ぎていますが,嫁が障害者であることも一因かと思います。夫婦生活は聞けませんが,別室で寝ていると言います。子供も障害児でグループホームにお世話になっています。そこから作業所に行きますので、二人だけの生活が続いています。
気が晴れない毎日かも知れませんが、アルコールで気を紛らしているとしたら、この先が思いやられます。
健康診断を受け、医師から指導があるようです。自分の健康管理が疎かになっているようです。
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欧州でのアルコール問題も深刻化していますが、日本でもアルコール依存症に悩む患者、家族数は増加の一途を辿っているとのこと、深刻です。
欧米ではTVコマーシャルさえ法律によって禁じられているといいます。日本ではアルコール依存、また鬱病との因果関係、認識不足だと言わざるを得ません。
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