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屋内型の遊戯施設が人気
着替え持参、そばで見守る
子ども向けの屋内型遊戯施設が人気を集めている。天気に左右されず、様々な遊具を楽しめるのが特徴だ。子どもの様子をそばで見守りながら、上手に活用してほしいと専門家はアドバイスする。
東京都文京区の東京ドームに隣接する「アソボ~ノ!」は、広さが1720平方メートルある遊戯施設。4万個のボールが敷き詰められたボールプール、トランポリン、壁登りなどが体験できる。店や市場、台所をイメージしたコーナーもあり、ままごとなどの「ごっこ遊び」も楽しめる。
保育園に通う6、4、2歳の3人の娘を遊ばせていた、東京都内の助産師の女性(47)は、「雨の日や暑い日など、外で遊ばせることができない時に助かる。屋外と違い、服が汚れない点も気に入っています」と話す。
「アソボ~ノ!」を運営する東京ドームの担当者は「汗だくになって夢中で遊ぶ子どもが多い。動きやすい格好で来場して。タオルや着替えもぜひ持参してほしい」と話す。こうした遊戯施設はショッピングセンターなどの商業施設内に設置されていることが多い。入場料はかかるが様々な遊びが提供されている。
利用する際には、親はどんなことに気を付けたらよいのだろうか。
近所の公園にはないような珍しい遊具ばかりなので、大人はつい子どもに全ての遊具で遊ぶよう勧めてしまいがちだ。聖徳大学准教授(児童文化)の神谷明宏さんは、「それは遊びの押し売り。子どもが熱中していることに集中させてあげてほしい」と助言する。
一方、子どもを好きなように遊ばせ、おしゃべりや携帯電話のメールに夢中になっている親もいる。「親は、近くでしっかり子どもを見守ることが大切」と神谷さん。
神谷さんによると、3~6歳の幼児は遊びに没頭していても3分に1回程度は、親の方をチラッと見るという。遊びがうまくできた時や、自慢したい時も必ず親の方を振り返る。「この時、子どもと目が合うことが大事。見てもらっているという安心感が、子どもの自己肯定感や自信につながります」
目を離した間に、けがをする場合もある。国民生活センターによると、屋内型遊戯施設における子どもの事故は、約6年間で34件。打撲や骨折のほか、何針も縫うけがをした例もあった。同センターは、〈1〉施設や遊具の安全性に関する説明や掲示などを確認した上で利用する〈2〉子どもから目を離さない〈3〉事故が発生したら、すぐに施設管理者に知らせる――などと注意を呼びかけている。
安心して遊べる公園が減っている今の時代、こうした遊戯施設は便利。ただ神谷さんは「野外遊びのよさも忘れないでほしい」とくぎを刺す。
秋の自然を楽しみながら、親子一緒にドングリなど木の実を拾ったり、竹とんぼで遊んだり。天気のいい日には、散歩するだけでも、楽しい時間が過ごせそうだ。
屋内型遊戯施設を利用する際には
▽親子とも動きやすい服装で。汗を拭くタオルや着替えを持参
▽施設の担当者に、安全管理がしっかりなされているか、体制を確認しておく
▽子どもの遊びを支援するスタッフが常駐している施設がお薦め
▽親は、事故防止のためにも子どもから目を離さない
▽遊びの中で、子ども同士がトラブルになることもある。すぐには介入せず、子ども同士で解決できるようしばらく見守る
(神谷さんらの話をもとに作成)
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