タレント 桜金造 さん 56
一病息災
[タレント 桜金造さん]脳出血(2)救急隊員「絶対眠らないで」
同居する鶴子さん(55)は、異変にすぐ気づいた。桜さんの顔面がゆがむなどマヒの症状がすでに表れていた。
「やめろ!」
思わず風呂場に響くほどの大きな声をあげていた。浴室でおぼれかけている自分の姿を見た鶴子さんが、救急車を呼ぼうとしたからだ。もう少し様子をみれば体は動くようになるだろう。それに、裸の姿を他人に見られるのは恥ずかしい。そんな風に事態を甘く見ていた。
「ダメよ、呼ぶわ」
鶴子さんはすぐに119番をダイヤルした。それと同時にすぐさま、お風呂の栓を抜いた。おぼれることを防げるからだ。桜さんを救いたい一心からの機転だった。
裸で浴槽に取り残されていると、救急隊員3人が部屋に飛び込んできた。
「お名前、言えますか」。サイレンが鳴り響く救急車の中。隊員が大声で呼びかけてくる。さらに、両手でバチンバチンと往復ビンタされた。「絶対に、眠ってはダメですよ」
健康には自信があった。ボクシングや水泳でジムに通っている。合気道は初段寸前の腕前だ。ただし、血圧は少し高かった。
「あくび、継続中」。救急隊員は自分の様子について、逐一病院に報告している。これは、ただごとではないかもしれない。ようやく事態がのみこめた。
◇ ◇ ◇
タレント 桜金造(さくらきんぞう)さん 56
【関連記事】