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ボンジュール!パリからの健康便り

医療・健康・介護のコラム

日光角化症のリスク訴え 広場でパフォーマンス

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 デンマークに本社をもつ研究主導の製薬会社「レオ ファーマ」が、皮膚科医や研究者、ストリートアーティストと一緒に、日光角化症のリスクについて、パリのパレ・ロワイヤル広場でパフォーマンスを繰り広げた。

日光角化症のリスクを訴えるパフォーマンス「肌の掲示」。写真はレオ ファーマ(LJ Com pour LEO Pharma)提供

 ルーブル美術館の目の前にある広場は、いつもはローラースケートの練習場になっている。その広場いっぱいに750平方メートルもの巨大人体を7人のストリートアーティストが描くという試みだ。

 7人のアーティストはそれぞれの人体の部位にスプレー塗料でグラフィティ・アート(都市部の壁や路上などに描かれた落書きの総称)を描いていく。その過程を撮影しながら、皮膚科医などの専門家が、日光角化症の危険性と皮膚がんの関係性などを通行人へ訴える、というパフォーマンスだ。

 紫外線による皮膚の角化症は、フランスではあまり知られておらず、相変わらず皮膚を直射日光にさらしている人が多い。今、フランスでは5人に1人が皮膚がん予備軍といわれており、最初のリスクの兆候を知ってもらうという試みだ。

 皮膚の色の薄い人は特に危険で、紫外線により、一部の皮膚が赤や褐色になり、うろこのように硬くなり、はがれ落ちたりもする。そういった部分が皮膚がんに進行することがある。今のところ、日光角化症から皮膚がんへの進行が認められたケースは、1年に約0.1%と低いが、どの部分が皮膚がんに進行するのかは予測がつかないことから十分な注意が必要だと呼びかけている。

 日焼けはバカンスだけに限らず、屋外で働いている人や、日ごろ日光にさらされることの多い人も注意しなければならない。フランス人のなかには、バカンスで日焼けすることがステータスで、冬に南国へ出かけて真っ黒に焼いてくる人もいる。少しでも日が差せばテラスや公園に椅子を並べて日光浴する。最近ではテレビコマーシャルでも日焼け止めクリームの宣伝が多くなってきたが、太陽大好き!のフランス人にどこまで理解してもらえるのだろうか。

 

■ 今週の一句

身に入むや 海の向こうの 声がして


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古田深雪(ふるた みゆき)

1992年渡仏。
1997年より医療通訳として病院勤務。

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