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どうする食物アレルギー保育園編(上)「念のため」除去 給食混乱

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個々の作り分けに苦労

保育士(右)に給食を渡すシダックスフードサービスの栄養士(東京都調布市の調布城山保育園で)

 保育園での食物アレルギー対応は難しい。学校より食事回数が多く、患者の比率も高い上、医師らの理解にも差がある。万が一の事態に備えられるか。現場から課題を考える。

 保育園の対応を煩雑にさせている要因の一つが、最新の診断法に基づかずに、料理から原因食材を除く「念のため」の除去だ。

 近畿地方の私立保育園は、園医の指示で園児の4分の1にアレルギー対応を求められている。実際に食品を食べてアレルギー反応を検査したわけではなく、血液検査の結果だけに基づく指示だ。

 「ヒジキもダメ、魚介もダメなど指示が細かくて、食べられる食品が少ないほど。個々の園児の給食の作り分けに苦労しています」とこの園の栄養士は話す。

 食物アレルギーは、かつて多品目を除去する指導が主流だった。検査や診断法が進化し、厚生労働省が2011年に作成した「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」では、除去は必要最小限が基本としている。だが、専門医が少なく、いまだ「念のため」が多いのも現状だ。

 保護者が保育園側に求めるケースもある。「豆腐を食べたらかゆくなったので、豆腐を食べさせないで」。東京都内の私立保育園は今年、園児の保護者からそう求められた。医師の診断はないという。

 保育園の担当者は「東京都調布市の死亡事故以降、『念のため』と除去を求める保護者が増えた」と話す。

 ガイドラインでは、医師が診断を基に作成した「生活管理指導表」を保護者が園に提出、園側に除去を求める仕組みだ。しかし、医師に作成を頼むと自費負担が生じるなどの理由で、保護者の「自己申告」にも応じる園がある。東京都が09年に2089の保育園・幼稚園に行った調査では、食物アレルギーで医師の診断書や指示書を求めている施設の割合は66%だった。ガイドラインでも除去品目が多い場合は、必要最小限に見直すよう勧めるが、どんな給食を提供するかは保育園や地域で差がある。

 専門医と協力して事故を防ぐ動きもある。「シダックスフードサービス」(東京)は、専門医らと作成したマニュアルにそって給食を提供している。

 同社に給食を委託している、社会福祉法人「稲城青葉会」の「調布城山保育園」(東京)では、60人の園児のうち、除去食対応をしているのは3人。必ず医師の診断と指示に基づき、献立表は栄養士と看護師が二重にチェックする。除去食のトレイに子どもの名前を書き、声を出しての確認も実行。職員数が手薄になる夕方は、目が行き届かなくなりがちなので「除去食を作り分けず、対応が必要な子もそうでない子もアレルギー食材を使わない同じ献立にします」という。

 東京都立小児総合医療センターアレルギー科部長の赤沢晃さんは「『念のため除去』に追われると、本当に重症な子への対応がおろそかになり、事故を招く可能性もある。医師の適切な診断に基づく適切な除去と、献立作りを進めてほしい」と話す。

保育園と食物アレルギー
 東京都調布市の小学校で昨年12月に起きた死亡事故をきっかけに対策が始まっているが、学校に比べて複雑な対応を求められる。日本保育園保健協議会の手引によると、保育園の患者の割合(4・9%)は小学校(2・8%)より多い。昼食のほか、おやつなどもあり、子どもが隣の席の料理を口にしてしまうこともある。アレルギー症状を引き起こす食材を誤って食べる事故も頻発している。
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1件 のコメント

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アレルゲンを食べないとダメ?

アレルギーっ子の母

「実際に食品を食べてアレルギー反応を検査したわけでなく、血液検査の結果だけで除去食」 これのどこが悪いのか、理解できません。 血液検査でアレルギ...

「実際に食品を食べてアレルギー反応を検査したわけでなく、血液検査の結果だけで除去食」
これのどこが悪いのか、理解できません。
血液検査でアレルギーが分かってるのに、なぜ危険をおかしてアレルゲンを食べないといけないのでしょうか。
なぜ、死の危険を伴う食品を食べて検査しなければならないのですか。死なずとも、下痢したり、肌がグジュグジュになったり、湿疹が出たり、呼吸が辛くなったり…。保育園の除去食のために、そんな検査が必要ですか?

血液検査だって、小さな子どもは泣き喚いて暴れるので、針をうまく刺せず、30分も40分もかけてようやく採血するような有様です。
「たかが血液検査で気楽に除去食申請しやがって」的な扱いは心外です。
血液検査の結果を提出するのは、親子と病院関係者の苦労と誠意がこもってることを、ご理解いただきたいです。
けして気軽に申請してるわけではないのです。

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