タレント 桜金造 さん 56
一病息災
[タレント 桜金造さん]脳出血(1)入浴中、猛烈な眠気と脱力感
1975年、お笑いグループ「ザ・ハンダース」でデビュー。コメディアンとして人気を集める一方、伊丹十三監督の「マルサの女」や「タンポポ」などの映画にも出演するなど、活躍していた。
あの日のことは、今も鮮明に覚えている。今年の2月12日。東京都内の気温は2度と、身震いするほど底冷えのする日だった。
前夜の痛飲で、目が覚めると、ひどい二日酔いだった。シャキッとしようと、お風呂につかった。昼前のことだ。
「あ~、いい湯だなあ」 浴室でつぶやいた。天国にのぼるような、心地よい気分だった。でも、何かがおかしい。あまりにも気持ちが良すぎるのだ。耐え難い眠気も襲ってきた。
ずるずるっ。ステンレス製の浴槽内で腰が滑った。鼻から下がお湯につかる。体勢を戻そうにも力が入らない。このまま眠ったらおぼれてしまうかもしれない。そう思った。
とにかく風呂から出なければ――。浴槽の縁に手をかけようと、ばしゃばしゃともがいた。
「どうしたの」。同居している鶴子さん(55)が風呂場のドアをあけた。34年前に結婚し、3男1女をもうけたが離婚した。しかし、数年前から、籍は外れたまま一緒に暮らしていた。
その時は、まさか自分に深刻な事態が起きているとは夢にも思わなかった。
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タレント 桜金造(さくらきんぞう)さん 56
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