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ボンジュール!パリからの健康便り

コラム

深刻化する摂食障害に緊急電話相談

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 フランスでは今、女の子の4人に1人、男の子の5人に1人が、拒食症や過食症などの摂食障害といわれる。栄養失調などにより、15歳から25歳の女性の主な死亡原因となっている。

 摂食障害の増加に対応し、2012年3月、電話相談を受け付ける「摂食障害緊急ライン」が設置された。相談者は母親が多いが、祖母や父親からのときもある。相談の約3分の2は親からで、残りの約3分の1が患者本人からだという。両親の悩みは深く、ノイローゼになるほど子どものことを心配し、動揺している。緊急ラインには15人の医師、7人の心理学者、そして摂食障害協会のメンバーが7~8人が待機している。相談してくるころには、ほとんどが深刻化しており、治療困難な状態となっているケースが多い。

 病状が深刻化する前には何らかの兆候があるはずだが、すぐに気がつくことはまれである。初めは食事を抜いたり、特定の食物を食べなくなったりする。学校や家庭でよく観察しなければならないのだが、だんだんと顔色が悪くなり、疲れやすく、生理が止まってしまうようになって、気がついたころには重篤な症状になっていることが多い。精神的にはイライラしたり、攻撃的になったりする。

 入院が必要になることもある。特別な施設に入所しながら、学校に通う子もいる。摂食障害は、深刻化すると慢性的になることが多く、入退院を繰り返すこともしばしばだ。時には何十年も障害を抱えて苦しんでいる人もいる。

 拒食症が社会問題となり、有名デザイナーやファッション雑誌が「やせすぎたモデルたちは使わない」と表明し、拒食症に歯止めをかけようとしたことは記憶に新しい。それでもなお、ダイエットに励み、拒食症ギリギリの体形をしているパリジェンヌもいる。

 イル・ド・フランス財団から支援を受けている「摂食障害緊急ライン」は、フランス全土の相談を受け付けているが、手の届かない地域もまだある。「摂食障害を克服するには、より専門的な治療が必要だけれど、それは必ずしも入院しなければならないということではなく、早期発見や継続的な治療によって改善の見込みもある」と伝えることで、両親を安心させている。

 

■ 今週の一句

竜胆や 面影重ね 祝い酒

撮影:n.m

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古田深雪(ふるた みゆき)

1992年渡仏。
1997年より医療通訳として病院勤務。

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