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ボンジュール!パリからの健康便り

コラム

自殺が増加 背景に失業率上昇

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 近年、フランスでは自殺者が急増している。これまでは、自殺が多いという印象はあまりなかった。カトリックの国なので、自殺は非常に悪いイメージがつきまとう。たとえ家族が自殺したとしても、ひた隠しにして事故や病死ということにしていた家族も多かった。

 しかし、ここ数年の失業率上昇で男性の自殺者が増え続けている。ヨーロッパでは、フランスはベルギーに次いで自殺が多い国の第2位となっている。それに続くのはドイツ、イギリス、スペインとなる。

 2008年に、フランステレコムの社員がリストラや仕事上のストレスを訴える遺書を残して次々と自殺する事件が起きた。同社の年間の自殺者は二十数人にも及び、多いときは1週間に5人も自殺した。

 フランスの自殺で一番多いのは首つりで、猟銃自殺も多い。そして最近では飛び降り自殺、地下鉄に飛び込むなどの投身自殺が多い。地下鉄が途中で止まり、「ただいま乗客の問題があり」とか「車両に問題があり」というアナウンスが流れたら、大抵は投身自殺であることが多い。

 このように2009年以降は自殺者の数が上昇傾向にある。また未遂に終わっても再発率は高い。友人の子どもは、親友の自殺が原因で3回も自殺を試みて毎回未遂に終わっている。カウンセリングにも通っているが、彼の心の闇にあかりがともることはない。両親は不安な毎日を過ごしている。

 フランスには健康監視研究所があり、国民の健康や発展、疫学的監視、調査や分析そして健康と危険に関する知識などを研究している。同研究所の調査によれば、自殺者の数は交通事故による死者の3倍にものぼり、毎年7万~8万人の自殺未遂者がいる。その多くは、うつ病、アルコール中毒、不安障害が引き金となっている。厚生省は「自殺予防デー」を設け、自殺に至るメカニズムを研究し、自殺防止に努めると発表した。

 

■ 今週の一句

十六夜に 酔って待ち人 あらはれず

撮影:n.m

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古田深雪(ふるた みゆき)

1992年渡仏。
1997年より医療通訳として病院勤務。

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