右手親指の付け根に硬いこぶ
右手親指の付け根付近に硬いこぶができました。痛みはなく、整形外科を受診したところ、「ガングリオン」と診断されました。どのような病気なのでしょうか。日常生活ではどの点に注意すればよいでしょうか。(79歳女性)
針刺して内容物抜
ガングリオンは、手首や指の付け根などにできる良性の袋状のこぶです。
手の指を曲げたり伸ばしたりする時、指の骨に沿うように動く「腱」という組織が働きます。腱は、指の骨から離れないように、「腱鞘」という半円形の組織に覆われています。
ガングリオンは、関節や腱鞘に連なる袋状のこぶに無色透明のゼリー状の分泌物が蓄積されたもので、複数できることもあります。原因はよく分かっていません。
ご質問者は、親指の付け根付近にできたとのことですが、具体的な部位によって治療法が異なります。
手のひらの付け根では、手首の腱に沿って複数できることがよくあります。針を刺して内容物を抜く方法もありますが、そばを通る動脈に注意が必要です。根治を期待するなら手術で除去するのが良いでしょう。
手の甲の付け根にできたものは、安静時の痛みはあまりなく、こぶが自然に消えることもあります。こぶの袋が厚くない場合は、強く圧迫して破裂させれば治ります。
親指の内側の付け根では、腱鞘から米粒大の硬いこぶができ、ものに触れると痛みます。針を刺して内容物を抜けば多くは治ります。ただ、指の使いすぎなどが原因で腱と腱鞘がこすれて炎症を起こし、腫れて厚くなることで指の曲げ伸ばしが難しくなる「ばね指」の可能性もあり、見極めが必要です。
診断が難しい時には、磁気共鳴画像(MRI)や超音波画像診断も有用です。