文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

わいず倶楽部

介護・シニア

乗馬体験…パッカ、パッカでいい運動

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 昨年のロンドン五輪・馬術競技に日本人選手最高齢の71歳で出場した法華津(ほけつ)寛選手の活躍もあって、乗馬に関心を持つシニアは増えている。シニア2人が、大阪府豊中市の服部緑地乗馬センターで騎乗を体験した。

インストラクターの指導で乗馬を楽しむ平木さん(手前)と八尋さん(豊中市で)=大西健次撮影

 大阪市天王寺区の平木よし子さん(62)と、大阪府茨木市の八尋(やひろ)弘子さん(61)。2人が訪ねた同乗馬センターは服部緑地公園の一角にある。1万3600平方メートルの敷地に馬107頭を飼育し、会員約1500人の大規模なクラブだ。服部緑地振興協会の委託を受け、全国で32のクラブを展開する「乗馬クラブクレイン」が運営している。

 今回、2人が乗ったのは、アミティエ(雄17歳)とデージー(雄11歳)。2頭とも人懐っこくおとなしい性格で、初心者の体験用には最適という。インストラクターの小野正雄さんと小林憲之介さんが基礎を教えてくれた。

 レンタルのヘルメット、乗馬ブーツ、ボディープロテクターを身につけた2人は早速2頭の待つ馬場へ。手伝ってもらいながらあぶみに足をかけ、またがった2人からは思わず「高い!」の声。馬の背に乗ると目の高さは2メートル以上にもなる。「下を見ないで。背筋をまっすぐ」と小野さんからすかさずアドバイスが飛ぶ。

 腹を軽く蹴るとスタート、手綱を引くとブレーキなどの指示動作を教えてもらい、基本の「常歩(なみあし)」にチャレンジした。「揺れるから怖いです」と言う八尋さんに、「緊張感は馬にも伝わります。まずは笑顔で」と小林さん。デージーは指示通りに動き、八尋さんの表情も徐々にほぐれた。

 しばらくすると、平木さんは「よしよし」とアミティエの首筋をなでる余裕も。小野さんから「様になってきましたね」と声をかけられ、笑みが浮かんだ。

 約30分間、「パッカ、パッカ」というリズムが心地いい「速歩(はやあし)」まで体験した。汗びっしょりの2人に小野さんは「乗馬は揺れる馬上で姿勢を保つので体幹を鍛えられ、運動効果は大きい。シニアの運動不足解消にもってこいですよ」と話していた。(森川明義)

優良174施設を認定

 全国の乗馬人口は、農林水産省の外郭団体・中央畜産会によると、約7万1000人(2010年)。最近はシニア層に人気で、会員数が国内で一番多い乗馬クラブクレイン(本社・大阪府羽曳野市)では、50歳代以上の会員が約35%を占めるという。

 一般の人を対象にしている乗馬クラブが加盟する全国乗馬倶楽部(くらぶ)振興協会の会員は278クラブあり、各クラブの情報をホームページで紹介している。

 同協会は、馬の頭数、乗馬指導者の配置などで審査する優良乗馬施設に174施設(3月末現在)を認定。乗馬技術を審査するライセンス(1~5級)も加盟の144クラブで認定を受けられる。

 乗馬クラブを利用するには、入会金の他、月会費、1回ごとのレッスン料などが必要。服部緑地乗馬センターでは、入会金15万7500円、月会費1万8900円、1レッスン(45分)2100円などとなっている。

 クラブに入会する場合、インストラクターの小野さんは「実際にクラブに足を運んで馬場の整備状況、指導者数、馬の頭数などを確認することが大事」とアドバイスする。

 八尋さん「こんなに楽しいとは思いませんでした。高さや揺れで少し怖さがありましたが気持ちよく乗れました。上手になって、今度は山や草原で乗ってみたくなりました」

 平木さん「2年ほど前に乗ったことがあり怖くはなかったのですが、久しぶりなので脚が上がるか心配でした。でもうまくいって良かったです。馬は本当にかわいくて好きです」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

わいず倶楽部の一覧を見る

最新記事