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(2)緩和ケアの普及に注力…清水千世さん

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第38回受賞 清水(しみず)千世(ちせ)さん

「患者の気持ちに寄り添いたい」と語る清水さん

 「柔軟性を持って働き、笑顔を絶やさず、患者さんをおもてなしする気持ちで対応してください」

 がん治療専門の坪井病院(福島県郡山市)で看護部長を務める清水千世さん(56)は、後輩の看護師たちに優しく言葉をかける。1979年から勤務。90年から約20年間、がん患者の緩和ケアを担当してきた。

 同病院は東北で初めて、全国でも5番目となる「緩和ケア病棟」を開設し、東北のがん治療の先駆けとなってきた。その中で、看護師は患者の日常のケア全般を担当し、医師や家族に話しにくい相談にも乗る存在となっている。

 ホスピスについて、清水さんは「時間が凝縮される」と表現する。「余命が幾ばくもなければ、その人にとって、残りの人生は濃厚な時間。患者さんは人生を振り返り、家族との絆や自分の存在価値を確認しながら過ごす」と考えるからだ。緩和ケアでは患者の心の整理を邪魔せず、「患者の人生を肯定すること」が大切だという。

 震災直後の2011年5月に看護部長に就任し、同病院の看護師約140人を束ねる。現場にいる時間はほとんどなくなったが、「看護師の夜勤回数や健康状態の管理といった仕事も面白いですね」と話す。

 岩手医大(岩手県)で認定看護師の講義を担当するなど、緩和ケアの普及や人材育成にも力を注ぐ。「健康で体が動ける限りは、この仕事を続けていきたい」と笑顔を見せた。(福島支局 樽田直樹)

 困難な環境下で献身的に活躍する医療従事者を顕彰する「第42回医療功労賞」(読売新聞社主催、厚生労働省、日本テレビ放送網後援、エーザイ協賛)の候補者を募集しています。

募集要項

【国内部門】 (約15人) 医療過疎地、重度心身障害者施設、小児や救急、移植をはじめとする各種専門医療施設、大規模災害による被災地など、困難を伴う環境下で15年以上活動した医療従事者で、原則50歳以上の人

【海外部門】 (若干名) 国内を含めた医療業務歴が15年以上で、かつ海外で通算5年以上の医療活動(または10年以上の医療助成業務)に従事した原則50歳以上の日本国籍の人

両部門とも職種は医師に限定しません


【推薦手続き】 推薦団体(個人)は推薦書に参考資料を添え、国内部門は都道府県庁の医療功労賞係へ。9月30日必着。海外部門は〒104・8325読売新聞東京本社事業開発部「医療功労賞」事務局(電話03・5159・5886)へ。10月31日必着。推薦書は、国内部門は各都道府県庁に、海外部門は医療功労賞事務局にそれぞれ請求


【賞】 受賞者全員に厚生労働大臣賞、読売新聞社賞、副賞100万円ほか

【発表】 2014年3月本紙上

詳細は、ホームページ(http://event.yomiuri.co.jp/2013/iryo-42/)に掲載


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