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お知らせ・イベント

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(1)歯の大切さ子供らへ…小松義典さん

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 困難な環境下で献身的に活躍する医療従事者を顕彰する「第42回医療功労賞」(読売新聞社主催、厚生労働省、日本テレビ放送網後援、エーザイ協賛)の候補者を募集しています。締め切りは、国内部門が9月30日、海外部門が10月31日。この賞は、国内外の医療過疎地や激務が続く都市部の救急医療の現場、難病の専門医療施設など、幅広い地域・職種の医療関係者の功績に光を当てることを目的に、1972年に創設されました。これまでの全国表彰者(海外部門含む)は計678人。今年はその中から、地域医療に今も活躍する4人の医療関係者を紹介します。

第38回受賞 小松(こまつ)義典(よしのり)さん

「奥歯もちゃんと磨こう」。歯科衛生士と、園児の歯をみる小松さん

 お昼に給食を食べて歯を磨き終えた子供たちが、歯ブラシを持って歯科衛生士の前に列を作った。歯科衛生士は「ちゃんと磨いているかな」と声をかけ、磨き残しがあれば、奥歯中心に丁寧に磨いてあげる。出羽山地に囲まれた秋田県由利本荘市。市内の東由利地域にあるみどり保育園で行われる仕上げ磨きの光景だ。

 歯科衛生士は、小松義典さん(64)が開業する歯科医院から2週に1回派遣されている。子供たちに虫歯が見つかったり、歯ブラシの繊維が曲がったりしていると、親にあてたカードに伝言を書く。小松さんは7月下旬、歯科衛生士とともに子供たちの歯をみた。年に1回、園内で親に歯を守る大切さを伝える講話も行う。

 園長の今野登和子さん(62)は「親子ともに、歯への関心が高まってきている。ありがたい」と感謝する。

 小松さんは日本歯科大(東京都)を卒業し、同大病院に勤務。37歳で故郷の東由利地域に戻って開業した。7歳の男児を診察して驚いた。大人になっても使う臼歯が虫歯で、抜かなければならないほど悪化していた。他の子供も多くが虫歯を抱えていたが、親たちは「生えかわる歯なら問題ない」と気に留めない様子だった。

 「治療では対応しきれない。子供たちに、虫歯予防につながる生活習慣を身に着けてもらう方法を考えなければ」。小松さんは診察や講話のたび、親たちに「1日1回徹底した歯磨きをする」「三食しっかり食べ、お菓子を制限する」と説き始めた。

 保育園のほか、小中高などの講話で使うスライドには、自ら行った実験の結果の数値や写真がふんだんに盛り込まれている。大学に10年余り身を置いた経験から、歯を守る意味を伝えるのに、データを示せば説得力が増すと考えたからだ。

 甘い飲み物で口の中が酸性になれば、歯の表面のエナメル質が溶けて虫歯になる。小松さんはリンゴジュースやコーラなど20種類以上の水素イオン指数(pH)を計測、ほとんどがエナメル質が溶けやすい水準であることを確かめた。

 温度を38度に保ったスポーツ飲料や炭酸飲料に、抜いた歯を1週間漬ける実験もした。すると歯は表面が溶けて茶に変色した。これらの写真や同指数を伝え、「ジュースは制限する。普段飲むのは、中性に近い水やお茶、牛乳が望ましい」と訴える。

 口の中にすみ着き虫歯の原因になる「ミュータンス菌」の量を児童に実感してもらう試みも、13年前に教委に働きかけて小学校で始めた。プラスチック製スティックを口に含むだけで、唾液中の菌の量が4段階に色分けして表示される。

 東由利地域の小学6年生で虫歯がある子供の割合は、1990年代には80%を超えて全国平均も上回っていたが、近年は50%近くまで下がって平均以下になった。他の年代でも虫歯の子供は着実に減ってきた。

 2010年に医療功労賞を受賞すると、東由利地域以外の市内の中高から講話に呼ばれる機会が増えた。高齢者の会合にも出かける。東京23区の倍近い広さの市内を駆け回る。

 「歯は健康の土台。歯を大切にする習慣が身に着けば、年をとっても自分の歯でおいしく食事をし、健康で長生きにつながる」と語る。(医療部 米山粛彦)

募集要項

【国内部門】 (約15人) 医療過疎地、重度心身障害者施設、小児や救急、移植をはじめとする各種専門医療施設、大規模災害による被災地など、困難を伴う環境下で15年以上活動した医療従事者で、原則50歳以上の人

【海外部門】 (若干名) 国内を含めた医療業務歴が15年以上で、かつ海外で通算5年以上の医療活動(または10年以上の医療助成業務)に従事した原則50歳以上の日本国籍の人

両部門とも職種は医師に限定しません


【推薦手続き】 推薦団体(個人)は推薦書に参考資料を添え、国内部門は都道府県庁の医療功労賞係へ。9月30日必着。海外部門は〒104・8325読売新聞東京本社事業開発部「医療功労賞」事務局(電話03・5159・5886)へ。10月31日必着。推薦書は、国内部門は各都道府県庁に、海外部門は医療功労賞事務局にそれぞれ請求


【賞】 受賞者全員に厚生労働大臣賞、読売新聞社賞、副賞100万円ほか

【発表】 2014年3月本紙上

詳細は、ホームページ(http://event.yomiuri.co.jp/2013/iryo-42/)に掲載


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