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悪性肉腫を克服して清元節の舞台の一線で活躍する 清元昂洋さん

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清元昂洋(きよもとたかひろ)さん 29

撮影・清水健司

 清元節の三味線方で京都・南座の歌舞伎興行に出演中の4年前、下腹部に大きな悪性肉腫が見つかった。余命3か月の宣告。手術して入退院を繰り返す。抗がん剤治療の最中も、三味線は必ず手の届く場所にあった。

 「病室の天井を眺めながら、三味線のない人生なんて考えられない自分がいた。災難でしたが、今では病気に感謝もしています」。歌舞伎座(東京)の楽屋で終始笑みを絶やさず、穏やかに苦難の日々を振り返る。

 清元宗家、七世清元延寿太夫(えんじゅだゆう)の長男で、弟は歌舞伎俳優の尾上右近。3歳で清元の稽古を始め、歌舞伎の初舞台は16歳。順風満帆の人生のはずが、病魔で一転。昨春、ようやく抗がん剤治療が終わり、4月の歌舞伎座開場以降、多忙を極める。

 「足の切断で正座ができなくなる、と言われたことを思えば夢のよう。来年は清元誕生200年の節目。清元節の繁栄に尽力するのが僕の使命です」

 9月末には都内で個人演奏会を開く。「もっと稽古を、もっと上手に、という欲が日を追うごとに強くなった」。逆境を乗り越え、着実に歩を進める。(文化部 塩崎淳一郎)

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