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対談(3)高齢出産の不安と向き合う

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 岩永 高齢出産に関する不安の声が届いています。「私は46歳で1歳3か月の子どもがいます。私は2人目が欲しいのですが、主人は異常な子どもの生まれる確率が高くなるからとあまり賛成しません」。

  まず46歳で1歳3か月ということは、44歳くらいでお産みになったということですよね。その時点で、すごく妊娠する能力に長(た)けている方なのでしょうね。例えば、44歳の方で子どもが授からなくて不妊治療をしたいという人で、子どもを授かる確率は1%ぐらいですよ。

 岩永 1%ぐらいですか。

  そうなんです。自然に妊娠する能力が高い人というのはそれなりにいますが、44歳で次を授かったら素晴らしいですね。欲しくて授かれない人の方が圧倒的に多い年代ですから。

 ご主人が異常な子どもが生まれるのが心配ということでしたが、まず赤ちゃんというのは、大体3~5%くらいが何らかの異常を持って生まれてきます。一番多いのは心臓で、耳や指先の異常も多くみられます。命にはかかわらずに治るものが多いのですが、その中でも親の年齢とともに増える病気に染色体異常があります。卵子も精子も老化するので、染色体の本数が間違ったまま妊娠してしまうことがあります。それが流産の増える原因にもなっています。

 ご質問された方がご夫婦でどう考えるかということですよね。授かった赤ちゃんは産む、それ以外に選択肢はない、というのがひとつ。もしも正常な染色体の赤ちゃんじゃないと困るというのだったら、それは妊娠しないというのもひとつの手じゃないですか。

 もしうまく妊娠して、そこで出生前診断を受けて、命の選択をするというふうに考えることも、今の日本では事実上可能です。

 岩永 ご夫婦の価値観で考えるしかないのですかね。

  正常な染色体の子じゃないと、ということだったら、やはり「確率は高いです」としか申し上げられないです。最近はいろいろな診断の方法もありますし、スクリーニングといって、確定診断ではないけれども可能性を調べることもできます。確定診断を羊水検査でつけることもできます。わかった後にどうするかということです。

 ちなみに羊水検査などを受けられる方で、ダウン症を始めとした染色体異常がわかった場合には、9割の方が中絶を選ばれています。もし、「どんな赤ちゃんでもいいよ」という方だったら、たぶんそこまで検査しないからだと思いますが、そこは、現代日本では福祉も十分とは言えないので、難しい問題ですね。


お母さんに冷たくないか

 岩永 先生のブログで拝見していて、私も電車なんかに乗っていてよく感じるのですが、子育て中のお母さんにすごく冷たいですよね。今の日本社会って。妊婦さんに席を譲る人、すごく少ないですよね。先生、どう思われますか?

  本当ですよね。皆さん、今日こちらに子連れで来ていただいて、すごく大変だったと思います。私もまず東京ってベビーカーで移動していたら、渋谷駅でこっちの線からこっちに乗り換えるとき、どうやって行ったらバリアフリーで行けるの、みたいな。インフラの整備が全然できていないですよね。

 今、完全に子育て中の世代はマイノリティーじゃないですか。私、思うのですが、まだ子育てをしたことのない世代よりも、もっと上の世代の方が目が厳しい気がして。私たちはちゃんとやったんだからお前らもちゃんとやれ、といったような、何か体罰的な構造があると思うんですけど。

 岩永 ブログでも触れられていますね。私は子どもがいないのですが、子どもがいない人にも結構冷たかったりしますよね。

  私は35歳まで子どもがいなかったので、すごく冷たく感じましたね。私が産む前、私の友達が20代、30代前半でいっぱい産んでいたこともあって、すごく肩身が狭いというか、先に産んだ人たちがすごく威張っているように思えました。やたら「早く産め」だの、「子育ては大変なんだ」だの言われましたね。まあ、私が好き勝手にしていたからだと思うんですけど、なんでこの子育て中の人たちはこんなに偉そうなんだろうって思ったこともあったんですよ。

 でも産んでみると、例えばベビーカーでゴンッてだれかにぶつかったりすると、「(子育て中の人は)まわりが避けてくれるのが当たり前だと思っている」というような意見がネットに書いてあったりするじゃないですか。でも実際ベビーカーって、そんなに余裕ないですよね。この辺しか見えてなくて、単にものすごく必死ですよね。子育て中の人って。それが横柄に見えるというのもあるのかなと思うんですよね。勝手に私が思っているだけですけど。

 岩永 なるほど。でも、皆で仲良く、皆で子育てしているような感じになっていくといいですけどね。

(おわり)

ブログ「宋美玄のママライフ実況中継」はこちら


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