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ボンジュール!パリからの健康便り

医療・健康・介護のコラム

満月の夜は眠れないフランス人

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 「あ~、昨夜は満月だったからよく眠れなかった。お陰で睡眠不足よ」。フランスに来て、何度このセリフを聞いたことだろう。満月の夜は眠れない。多くのフランス人がそう思っているのではないだろうか。私が「昨夜は全然眠れなかった」と言うと、「満月だったかしら?」なんて言われることもある。最近、そんな満月と人間の睡眠の関係について面白い記事を読んだ。

 スイスのバーゼル大学の生体リズムの研究チームによると、人間は満月の4日ほど前から、睡眠時間が平均20分ほど短縮される。満月の日の脳波の分析によると、満月の日にはノンレム睡眠(深い眠り)の約30%が削減されるというのだ。すなわち、眠りが浅くなるという。

 月のサイクルによって、人間の身体が生物学的機能を調整するのは一体なぜなのだろう。根拠はあるのだろうか? 研究チームによると、夜間の血液検査の結果、睡眠に関係するセロトニンというホルモンの分泌量が変化することから、月と睡眠は何らかの関係を持っているとしている。人間の体内には、月のサイクルに合わせた体内時計があるというのだ。

 では、なぜ満月の日は眠れなかったり、眠りが浅かったりするのだろうか。夜行性の動物が夜に狩りをする。満月の夜は明るく、月の光は獲物を見つけるのには最適だ。そんな夜行性の野獣たちから身を守るため、古来、人間は満月の夜は眠りが浅くなったか、もしくは眠らないようにして身を守っていたのではないか、というのが仮説だ。研究の結果、特に海洋動物に顕著にその影響が現れているという。人間以外の動物を含めて今後研究を進めるという。

 満月の日は一睡もできないという、フランス人の友人がいる。彼女は清楚せいそで品が良く、典型的なブルジョア家庭で育った美しい女性である。ある時、彼女が「なぜ私が満月の夜一睡もできないか知っている?」という。「私の名前はね、Garou(ガルー)というの。狼男よ! だからね、満月の夜は目がギラギラとして一睡もできないのよ」と美しいブルーの瞳を見開いて、私を驚かせケタケタと笑った。狼男と満月の関係は作り話らしいが、ガルーという言葉は古フランク語から来ている。なぜそういう名前がついたのか、起源をたどってみたい気もする。実際に狼男が存在したのかどうかは分からないが、フランス人の多くは満月の日は眠れない夜を過ごしている。


今週のトピック

6キロの赤ちゃん誕生
 ドイツで6・1キロのビッグベビーが誕生した。2010年のフランスでは7・1キロの巨大児誕生の記録がある。遺伝的なものや、母親の糖尿病に起因があるといわれており、出産に危険が伴う。巨大児は、成人してから必ずしも糖尿病になったり、肥満になったりする訳ではないという。


■ 今週の一句
我が恋の 千々に乱れし 阿波踊り

写真撮影:n.m

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ボンジュール!パリからの健康便り_古田深雪_顔120px

古田深雪(ふるた みゆき)

1992年渡仏。
1997年より医療通訳として病院勤務。

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1件 のコメント

満月の夜は凶悪犯罪が多い

伯 楽写

30年ほど前、スイスはジュネーヴの警察幹部と雑談した時に、凶悪犯罪は満月の夜に発生するので、休暇中の警察職員は緊急出動できるように遠くに行かない...

30年ほど前、スイスはジュネーヴの警察幹部と雑談した時に、凶悪犯罪は満月の夜に発生するので、休暇中の警察職員は緊急出動できるように遠くに行かないと言っていた。また、某夫人は、いつもは優しい夫は満月の夜に暴力的になると言っていた。
こういう話はよく聞くので、誰か、「満月の夜についての研究」をしてくれると、楽しいだけでなく、凶悪犯罪防止にもなると私は確信している。

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