文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

社会保障ナビ

yomiDr.記事アーカイブ

女性の活躍推進で経済成長

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック
作図 デザイン課・武居智子

 政府は、成長戦略として「女性の活躍推進」を掲げていますが、女性の社会進出は進んでいるのですか?

離職減らし管理職増やす

 6月に政府が発表した成長戦略(日本再興戦略)は、出産・育児による離職を減らし、指導的地位に占める女性の割合を増やして「女性の活躍」を推進すると打ち出した。

 25~44歳の女性の就業率を、2020年には今より5ポイント高い73%へ引き上げることも目標として提示。達成のため、子育てとの両立支援に取り組む企業を税や助成金などで優遇することや、3年間の育児休業や短時間勤務を取れる環境の整備、保育所の待機児童解消を目指すとした。

 では、現状はどうか。

 2012年の「就業構造基本調査」によると、25~39歳の女性で職を持つ人の割合は69・8%で過去最高だった。

 この年代は、結婚や育児で離職することが多く、前後の年代より就業率が低い「M字カーブ」を描いてきた。それが、結婚せずに働く人や、夫の収入減を補うため働く人などが増え、カーブは先進各国と同じ台形に近づいている。

 とはいえ、働き方の「質」には課題が多い。日本では、第1子の出産で退職する女性が6割を超え、この傾向は過去20年変わっていない。他方、非正規雇用の割合は同期間に約20ポイント上がり、2012年は過去最高の57・5%だった。

 国際労働機関(ILO)と各国の調査では、管理職に占める女性の割合は、日本では約12%。先進諸国の中では、韓国と並んで突出して低い。

 日本女子大の現代女性キャリア研究所が約5100人の女性に行った調査では、離職・転職の経験者が最初の職を辞めた理由は「結婚」が最多だったが、大学・大学院卒に限ると「他にやりたい仕事があった」が最多で、「仕事に希望が持てなかった」が続いた。高い学歴がキャリアにつながっていない現状がのぞく。

 ただ、変化の兆しもある。経団連の今春の調査では、回答した会員企業348社で、女性役員が1人でもいる企業は約31%だったが、女性管理職を増やす取り組みを約45%の企業が行っていた。

 希望する女性が全員就業したら、国内総生産(GDP)を1・5%ほど押し上げるという政府の試算もある。やりがいを感じて働く女性を増やすことは、経済活力と人材活用の両面から喫緊の課題だ。(針原陽子)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

社会保障ナビの一覧を見る

最新記事