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いのちに優しく いまづ医師漢方ブログ

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体調の変化 年齢による場合は…

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 「ヨーロッパでは、50歳の誕生日は盛大にお祝いするんだよ」と教えてくれたのは、40年ぶりに会った友人Oさんです。「こないだ、オランダの友達のご主人からお祝いメールを送ってほしいと頼まれたの。ちょうど彼女の50歳の誕生日にサプライズをという趣向だったらしいの」と写真を見せてくれました。

 そんなOさんから、「今日集まったみんな、同い年だよね。なんだか、みんな年を取ったねぇ」と話題は健康のことに。「最近、携帯電話の文字がみえにくくて、老眼鏡が必要になってきたの」とバッグからメガネを取り出して、スマホに保存された家族や犬の写真を見せてくれました。

 Oさんがわたしに「ねぇ、なにか老化に効く薬、教えてよ」と聞いたので、「実はね、漢方医学を熟知した重鎮たちが隠れて飲んでいる薬があるんだよ。それは八味地黄丸(はちみじおうがん)というんだ。もし、体に自信がなくなってきたら、毎日、飲むといいよ」と、つい漢方医学の裏話をしてしまいました。

年齢の変化による場合は「気虚」

 加齢による体調の変化がある場合、節目に来たのを自覚できたと考えてもよいと思います。こんな場合の漢方医学による診断は、「気虚ききょ」です。年齢の変化による「気虚」には「気」を補う薬を使って治療を行います。例えば、八味地黄丸です。治療の目的は、体調が悪いのではなく、新しい体調への変化に体も心もなじめていないだけ、と考えて、ソフトランディング(軟着陸)できるようにしていくことです。

環境の変化による場合は「水毒」

 年齢の変化とは違い、環境の変化によって体調が変わる場合があります。たとえば、朝と夕方で体重を量ってみると1kgぐらい変化していることがわかります。週のはじめと週の終わりでは、体も心も疲労の度合いが変わりますよね。さらに、気圧の変化でむかし痛めた部分がシクシクと痛んできたり、季節の変わり目に体調を崩したりする場合もあります。これらは、漢方医学による診断で「 水毒すいどく」となっていることが多いと思います。

 環境の変化による「水毒」には、「水」の循環をよくする薬を使って治療を行います。例えば、 五苓散(ごれいさん)です。この治療の目的は、体の中の水分の巡りが悪く、余分な水分がたまったり、正常な臓器の働きを鈍くしたりしているのを改善することです。単にむくみを取るために、利尿剤で体の中から水分を押し出すだけではないのです。

 40年ぶりの再会と懐かしい話に囲まれながら、楽しい時間はあっという間にすぎて行きました。専業主婦で子どもの世話に追われている友人や、同じ分野で活躍している友人も、みんな半世紀を生きてきた仲間としてこれからも元気でいてほしいと心から願っています。

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いまづ医師の漢方ブログ_顔120

今津嘉宏(いまづ よしひろ)

芝大門いまづクリニック(東京都港区)院長

藤田保健衛生大学医学部卒業後に慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。国立霞ヶ浦病院外科、東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センター等を経て現職。

日本がん治療認定機構認定医・暫定教育医、日本外科学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

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