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「先進医療」の仕組み

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作図 デザイン課・藍原真由

 国の成長戦略でも取り上げられている「先進医療」とは、どのような仕組みですか。

保険診療との併用可能

 先進医療とは、まだ保険診療には認められていないが、ある程度の安全性や有効性が確認された新たな医療技術や治療法のことだ。

 公的医療保険制度では、保険診療と保険がきかない自由診療を組み合わせる「混合診療」を、原則禁止している。効果や安全性の疑わしい医療が広がるのを防ぐためだ。自由診療の治療を受けると、診察や検査、入院費用なども保険がきかなくなる。

 ただし、先進医療については例外的に混合診療が認められている。先進医療部分の費用は全額自己負担だが、検査など通常の診療部分は保険がきく。患者に最先端治療への門戸を開くとともに、将来の保険適用に向けて有効性を確かめるのが目的で、「お試し期間」でもあるわけだ。

 制度が始まった2006年度からこれまで、63技術が保険適用になる一方、38技術が効果が認められず外された。

 先進医療と認められるには、専門家による先進医療会議に申請し、審査・評価を受ける必要がある。現在は1件につき半年程度かかる。

 政府は先月まとめた「日本再興戦略」で、先進医療の大幅拡大を表明。外部機関を導入して評価の迅速化を図る「ハイウェイ構想」を打ち出した。医療を「成長産業」と位置づけ、新医療技術の開発を促すとともに、患者により早く恩恵を届ける狙いがある。今秋をめどに抗がん剤の審査から始める予定だ。

 先進医療には、未承認の医薬品や医療機器を使わない「先進医療A」と、未承認薬などを使って医師による臨床試験として行われる「先進医療B」がある。今月1日現在、Aは「がんの重粒子線治療」「多焦点眼内レンズを使った白内障手術」など65種類、Bには「甲状腺がんの内視鏡手術」「残存聴力活用型人工内耳挿入術」など44種類、計109技術ある。

 実施する医療機関には一定の基準が設けられており、届け出か承認が必要。厚生労働省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)で確認できる。費用は医療機関ごとに異なる。先進医療を受ける際には、治療内容や副作用、費用などの説明を十分に受け、納得することが重要だ。(本田麻由美)

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