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健やかキッズ

妊娠・育児・性の悩み

「赤ちゃん返り」乗り切ろう

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「見守られる」安心感カギ

 弟や妹の誕生を機に上の子どもが急に「赤ちゃん返り」し、どう対応したらよいか悩む親は少なくない。おおらかに接し、子どもの気持ちに寄り添うことが大切だ。

 大阪市の主婦(34)は、2歳の長女の赤ちゃん返りに手を焼いている。弟が今春生まれたが、2週間を過ぎた頃から、長女は主婦のそばを離れようとしなくなり、「遊んで」とせがむようになった。授乳中の弟の足をつかみ、胸元から引き離そうとしたことも。「相手にしないとおさまらない。乳児期にはなかった夜泣きも始まりました。今後ひどくならないか心配です」

 京都大教授(発達心理学)の子安増生さんは、「『もっと構ってほしい』『さみしい』と、親にシグナルを発しているのです」と話す。親の愛情を独り占めできず、満たされない思いが、赤ちゃん返りという形で表れるのだという。

 甘えるだけでなく、わがままで反抗的な態度を取ることもある。おねしょをしたり、指しゃぶりを始めたり。

 また、スプーンで食事していたのが手づかみになるなど、それまでできていたことが、突然できなくなってしまうこともある。子どもが甘えてきたときに、「一人でできるでしょ」とはねつけると、余計に聞き分けがなくなる。

 子安さんは、「赤ちゃん返りは一過性のもの。甘えをしっかり受け止めて」という。子どもが困った行動をしても頭ごなしに叱らずに、「どうしたの?」と目を見て話しかけ、子どもの言葉に耳を傾ける。大切なのは、甘えたい気持ちを満たし、「見守られている」という安心感を子どもに与えることだという。

 ただ、授乳やおむつ替えなど下の子どもの世話に追われている中で、イライラが募る場合もあるだろう。

 そんなときは、一人で抱え込まず、パートナーや祖父母らに協力を求めるといい。わずかな時間でも下の子どもを見てもらい、上の子どもと向き合う時間を作るといい。就学前の子どもと親の交流の場を運営する、NPO法人ハートフレンド(大阪市)代表理事の徳谷章子さんは、「地域の子育て支援施設を訪れてみては。親子で家の外に出て遊べば、気分転換にもなります」と話す。

 赤ちゃん返りは、保育所や幼稚園への登園を嫌がるという形で出てくることもある。保育士や父母らでつくる全国保育団体連絡会(東京)副会長で、あかねの虹保育園(埼玉県所沢市)園長の牧裕子(やすこ)さん(72)は、「登園を渋る時期はそう長くは続きません。いったん登園したら、すぐに友達と遊び始める。心配し過ぎないで」と言う。

 最近きょうだいが少なくなったためか、牧さんは「上の子の赤ちゃん返りに戸惑う親から相談を受けることが増えた」という。

 牧さんは、妊娠中から上の子どもと一緒に新しい家族を迎える心の準備をすることを勧めている。「おなかを触らせて、『赤ちゃんが生まれてくるのを楽しみにしようね』『幸せだね』と伝えてあげて。兄や姉になった自覚を芽生えさせる声かけも大切です」と話している。

「赤ちゃん返り」に対応するコツ

 ・「甘えてくるのも当然」とおおらかに受け止める

 ・話しかける際は、なるべく優しい口調で、子どもの目を見ながら

 ・一人で抱え込まず、パートナーや祖父母らに下の子の面倒を見てもらう。地域の子育て支援施設などへ出かけ、上の子と遊ぶ時間を作る

 ・妊娠中から新しい家族が増えることを上の子と楽しみにする。誕生日などの節目を捉え、兄や姉としての自覚を育む

  (子安さん、徳谷さん、牧さんへの取材を基に作成)

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