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育児休業 利用増やせる?

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作図 デザイン課・安芸智崇

 育児休業制度について、安倍首相が「3年間の利用」を提唱して話題になったけど、可能なの?

対象者・保障の拡大が課題

 育休制度は、子どもが1歳になるまで育児のため仕事を休める制度だ。1992年に法律が施行され、95年度から休業中の所得を保障する給付を受けられるようになった。

 出産後も働き続ける女性の増加とともに、法改正を重ね、対象も給付額も拡大されてきた。現在は、父母ともに休業する場合は1歳2か月まで、保育園に入れない場合など特別な理由があれば最長1歳半まで、休業することも可能になった。給付額は、導入当初に休業前賃金の25%だったのが、現在は50%になっている。

 法律が定める休業期間は原則1年だが、事業所によってはもっと長く休むことも可能だ。2011年度の雇用均等基本調査では、事業所全体の19%が1年以上の育休制度を導入していた。また、国家公務員や地方公務員は、独立した法律で、子どもが3歳になるまで育休を認められている。ただ、キャリアに影響することや収入が減ることへの不安から、実際に3年間も育休を取る人は少ない。

 現在の課題はむしろ、子どもが生まれた人のうち一部しか利用できていないことだ。

 12年度に育休給付を受けた人は23万7383人で、95年度の5万9720人に比べ、約4倍に増えた。しかし、年間出生数が100万人を超えていることを考えると、大多数の親となった男女は、育休を利用していないことになる。特に、男性は受給者のうちわずか1・6%と、低迷している。

 もともと育休制度は、サラリーマンなど被雇用者が対象で、自営業者やフリーランスの人は、出産で休み収入が減っても保障は受けられない。パートタイムや契約社員は、育休を始める時点で同じ事業主に1年以上雇われていて、休業後も雇われる見込みがある場合に限られているため、利用のハードルは高い。

 主要国では、日本より休業期間や給付水準が手厚い国が目立つ。スウェーデンは約2年間休めて、従前賃金の80%を原則保障。無職や短時間勤務の人も、働き方に応じた給付が受けられる。こうした制度の下で、女性の社会進出と高出生率を実現している。

 少子化が深刻ななか、育休の対象者と給付の拡大が課題となっている。(樋口郁子)

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