わいず倶楽部
介護・シニア
アンチエイジング料理塾…元気もりもり オヤジご飯
シニア世代の男性が料理教室で元気だ。時間が出来たので男子
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奈良県生駒市の古川仁さん(71)と、
教室は奈良市中部公民館。レストランのシェフなどを経験し、13年前から各地の教室で料理を教えている倉橋俊朗さん(62)が講師になり、昨年12月に開講した。
倉橋さんが「冷蔵庫の中の1品を使って自分の食べたいものを作れるようになりましょう」と語りかけ、「食事は健康の基本。自分で料理して健康な体を作る姿勢が大切」と強調。さらに「栄養を意識し、食材を考えることで頭を使う。包丁を使うなど細かい作業も認知症防止につながります」と説明する。
現在、生徒は男性36人、女性4人でほとんどがシニア世代。この日、2人は教室生15人と受講。▽アスパラのマヨネーズ添え▽レバーコンニャク▽若草サラダ▽ショウガご飯▽みょうがと豆腐のみそ汁――の5品に挑戦した。
マヨネーズは卵黄から作り、みそ汁のダシも昆布とカツオでとる。倉橋さんが、ご飯の炊き方や包丁の扱い方などの基本を指導して調理が始まった。倉橋さんは調理の合間に「アスパラガスにはβカロテンが多く含まれ、抵抗力を高めます」「レバーはビタミンA、鉄分と葉酸が多く、貧血予防につながります」「ミョウガには強い抗菌作用もあります」と、素材のアンチエイジング効果を説明した。
三角巾にエプロン姿の2人は大根を千切りしたり、レバーを何度も水洗いしたり、悪戦苦闘しながらも約2時間かけて完成させ、皆で味わった。倉橋さんから「お二人とも包丁さばきなど丁寧で、素質があります」とほめられ、まんざらでもなさそうだった。(真田南夫)
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「第7の栄養素」に注目
アンチエイジング料理塾でアドバイザーを務める栄養士の竹原和さんによると、老化を遅らせ、病気を予防する栄養素として注目を集めているのがフィトケミカルだ。
植物が害虫や厳しい自然環境から身を守るために蓄える成分で、たんぱく質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維に続く「第7の栄養素」とされる。
よく知られるのはトマトに含まれるリコピンで、ビタミンEの100倍の抗酸化力があり、老化の原因となる活性酸素を除いてくれる。大豆のイソフラボンは女性ホルモン(エストロゲン)に似た成分で、新陳代謝を促進。ほうれん草などに含まれるルテインは視力を改善し、ベリー類のアントシアニンには美肌効果、緑茶のカテキンは肥満を防ぐ働きを持っている。
アンチエイジングには、低脂肪のたんぱく質、食物繊維、各種ビタミン、ミネラルも欠かせず、竹原さんは「栄養とカロリーを考えてメニューを作り、バランス良く、(腹八分の)適量で楽しく食べるのが一番です」と話す。
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体験を終えて
古川さん「料理はインスタントラーメンを作る程度ですが、楽しかった。マヨネーズが卵黄から手軽に作れるのには驚き。家で色々な料理にチャレンジしたくなりました」
樹さん「マヨネーズにたくさんの油が使われていることを知り、これからはかけ過ぎないようにします。老化防止に役立つ食材をふんだんに使った食事を心掛けたい」
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