いきいき快適生活
介護・シニア
[読み得 介護のツボ]良いケアマネジャー探す
支援センターで情報収集
高齢になり、自立した生活が難しくなった時に、介護保険サービスの利用を助けてくれる専門職がケアマネジャーだ。
一人一人の状態に応じて、どんな介護サービスを使えばいいかを一緒に考えてくれる。それだけに、良いケアマネジャーとの出会いは大事だ。
川崎市麻生区の男性(82)が、ケアマネジャーと契約したのは5年前。手術を受けて体力が低下し、要介護2に認定されたため、介護保険のサービスを受けることになった。区内の介護施設「地域福祉センター金井原苑」に相談して、同施設に所属するケアマネジャーを紹介されたのだった。
男性は、息子家族と同居しているが、昼間は一人で過ごし、食事や身の回りの管理に不安があった。そのため、ケアマネジャーの勧めで、日帰りで入浴や食事のサービスなどを受けるデイサービスの施設を週3回利用し、自宅介護が難しい時に泊まりがけで数日滞在するショートステイも、随時、使うことを決めた。
その後も、ケアマネジャーは毎月訪ねてきては、介護サービスの利用状況を確認。昨年春からこの男性の担当になった高橋樹子さんは、男性が庭で転んで動けなくなったことを知ると、ショートステイの利用回数を月2回に増やした。
6月に訪問した時も、高橋さんが「よく眠れてますか?」「食欲は?」などと生活の様子を確認すると、男性は笑顔を見せた。
ケアマネジャーは、利用者ごとにどんな介護サービスがどの程度必要か、利用方針を見定める専門職だ。市町村で要介護認定を受けたら、自分のケアマネジャーを探すことになる。
頼れるケアマネジャーは、どう見つければいいのか。介護情報サイト「親ケア.com」を運営する横井孝治さんは、まず情報の収集が大事だという。
ケアマネジャーのリストは、各地の地域包括支援センターで入手できる。どの介護事業所にどんなケアマネジャーがいるのかといった基本情報も教えてもらえる。最寄りの地域包括支援センターがどこにあるかは、市町村の窓口でわかる。
通院する病院の医療ソーシャルワーカーや、診療所の主治医らに相談するのも一つ。看護師や保健師の資格などを持つケアマネジャーは、病状の進行に合わせて医療ともスムーズに連携をとってくれやすい。
「候補が見つかれば、電話して『要介護に認定されたけど、これからどうすればいいかわからない』など、初歩的な質問をしてみるといい」と横井さん。そうした疑問に丁寧に答えてくれるのが、良いケアマネジャーだからだ。
ケアマネジャーは、契約すると、利用者に合うサービスの種類と利用量を決め、提供する介護事業所を選ぶ。事業所の担当者を集めた会議を招集し、利用者も含めた話し合いでケアプランを作る。必要に応じて、市町村の配食サービスやボランティアの支援などを組み合わせることもある。ケアプランを見直すのも役割だ。
もし、ケアマネジャーに不満が生じれば、代えることができる。地域包括支援センターに相談し、話し合いを取り持ってもらうことも可能だ。「土日も対応できる人」「同性の人」など、希望に合う候補者を教えてもらうこともできる。
神奈川県介護支援専門員協会副理事長の松川竜也さんは、「ケアマネジャーは外出が多くて忙しそうに見えるが、遠慮せずに困ったことは伝えてほしい」と助言する。「担当が不在でも、同じ事業所の同僚ケアマネジャーに相談すればいい。何でも相談できる存在だと知ってもらいたい」と話す。(梅崎正直、写真も)
ケアマネジャー 介護支援専門員。介護保険法に定められ、要介護認定を受けた人の介護サービス利用を支援する専門職。資格取得には、介護事業所などで実務経験を積んだ後、都道府県が実施する試験に合格し、研修を修了することが必要。従事者は、2011年10月現在、全国で約14万人。
ケアプラン 介護保険のサービスを受ける際に作成する、利用者ごとのサービス利用計画書。1週間にどのサービスをどういう頻度で利用するかを記載する。
【関連記事】
※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。
※個人情報は書き込まないでください。