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俳優 佐藤B作(さとうびーさく)さん 64

一病息災

[俳優 佐藤B作さん]胃がん(2)手術後の舞台 妻が猛反対

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 2008年5月、都内の病院で手術を受け、胃の3分の2を切除した。

 3週間の入院中、病室から、人気ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」の収録にも出かけた。

 喜劇役者としては、舞台に立つのが、真の復帰。目標は、8月の「戸惑いの日曜日~アパッチ砦の攻防より~」だった。1996年の初演からずっと主役を務めてきた。「(主役を)ほかの人に渡したくない」との一心で、退院後も、自宅近くを歩き回ってリハビリに努めた。

 しかし、思うように体力は回復しなかった。体重は10キロ以上も落ちた。

 病院からもらった資料を手に毎日、食事を作ってくれた妻で女優のあめくみちこさんは「まだ早い。焦る必要はない」と出演に猛反対した。プロデューサーも自宅まできて説得した。最終的には、同学年の盟友角野卓造さんの「今回は、やめた方がいい」との一言で降板を決意した。

 演出にまわり、連日、客席で見守った。

 「初めて舞台全体をみて、こんなに良い芝居を続けてきたんだと感動しました。絶対にもう一度、主役をやるぞ、と誓いました」

 2011年、角野さんを相手役に、再び、この作品の主役を演じた。「今なら、休む時は休んだ方がいいと言えます。体験しないと、その大切さが理解できないものですね」

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