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石井苗子の健康術

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これからの子どもたちの夢

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(子どもたちの夢は誰のもの? 親たちのもの?)

 先日、幼稚園のお子さんのママさんたちを対象に、「これからの子どもたちの夢」という演題で講演をすることになってしまいました。

 どちらが主催されるのですか? とお伺いしますと、幼稚園の「PTA」。どうしようかと思ってしまいました。私は子どものためにやるべきだったPTAの活動をずっとお断りしてきました。理由は、いつ家にいるのか分からないような仕事をしている母親なのであてになりません、それでもすんなり認めてもらえました。おそらく私の時代は子どもの数が多く専業主婦も多かったので、当然PTA活動員の数も多かったわけです。熱心な活動リーダーもいて、私のような何もしない人がいても、それこそ「あてにできないグループ」のリストに入っていたのかもしれません。

 2013年6月12日付けの読売新聞に、「変わるPTA」というタイトルのコラムがありました。一行目にPTAを見直す動きが広がっていると書いてあり、共働き世帯が増え、少子化が進み、PTAに関心があっても活動を重荷に感じる人が多くなったと書いてあります。

 つまり私の時代と逆で、子どもの数が少ない分、親の数も少なく、共働きだから何もしないとは言えないのではないでしょうか。何か手伝わなくては活動が回らなかったり、頼まれたら断りにくかったり、責任を感じてやめにくい環境になってきているのではないかと思いました。「無理強いせず自発性促す」と新聞には書いてありましたが、もともとPTAはアメリカから来た発想であって、先生と親がその地域にもっとも合った教育とは何かを考える寄り合いのようなものが原点なので、何かを強制的にやるものではないのです。上記の私の講演会では来賓の方々が壇上で挨拶文を読んでいらっしゃいましたが、なんとなくですが、偉いポジションの方は男性が多くて、実際の細かい活動は女性がやっているという雰囲気でした。

 その講演会で私が伝えたかったのは、「子どもの夢が親の夢にすりかわらないように」でした。親がやりたかった夢の強制にならないように、そしてPTAはもっと形を変えるように、です。

 主催者側の説明では、私立の幼稚園が多くなってきている傾向にあり、3歳になるまでに受験勉強をするそうです。中には3歳で立派に漢字が書ける子がいるとか……。

 保育園の数が足りないというお話しもありましたが、理由はやはり保育士の数が足りないからだそうです。給料が少なく、いわゆる出世という言葉があるような会社組織ではありませんから、男子がなかなか就職しないとのことでした。少子化だから幼稚園の数が減っているのかと思えば、その県では私立の幼稚園は公立より多いとのこと。大事な子どもと特別な教育を受けさせる目的で名門幼稚園を受験させる傾向も強くなってきているとか。

 心療内科の勉強会で心理学の先生がおっしゃっていた言葉を思い出しました。「人間の人格形成は3歳までで決まる」。

 PTAも親も子どもも、教育という世界の中でどんどん変わってきていることだけは確かなのでしょうが、人間はそう簡単に進化するものではないと思います。3歳までの子どもに両親がどう接するか、それがこれからの子どもたちの夢を実現させる糸口だと私は思います。

 保育園の数は増やしていかなくてはならないでしょう。働く親の姿を見て、子どもは強く生きていくことを学習することもできると、私は思います。

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石井苗子さん顔87

石井苗子(いしい・みつこ)

誕生日: 1954年2月25日

出身地: 東京都

職業:女優・ヘルスケアカウンセラー

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