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はつらつ健康指南

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食料や水上手に備蓄…南海トラフ地震 1週間分以上

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次々使って補充 ペットボトル分散保管

国崎さんの自宅の収納スペース。レトルト品などを見えやすく並べ、足りないものがすぐにわかるようにしている(千葉県内で)

 「南海トラフ巨大地震」対策として、家庭でも食料や水を「1週間分以上」備蓄するよう求める政府の報告書がまとまった。相当な量になるが、どう準備したら良いのだろう。

 5月末に公表された中央防災会議の作業部会の最終報告書では、被害は甚大かつ広域で支援が届きにくいため、被災直後は「地域で自活」するよう強調している。これまで3日分とされてきた家庭での食料備蓄は「1週間分以上確保する」必要があるという。

 どの程度の量になるのか。ベターホーム協会が作った備蓄例=別表=が参考になる。停電を想定し、冷蔵庫を使わず常温保存できる食品を選んでいる。

 例えば、水は1人で1日3リットル。2人で1週間なら42リットル必要だ。主食用に無洗米5キロ、パスタやそうめん等の乾麺(300グラム)5袋などを用意する。パスタはゆで時間が短いものがよい。

 レトルト品などが続くと塩分の取りすぎになりやすい。ツナ缶とロングライフ牛乳を使った「ツナクリームパスタ」など、簡単な調理でなじみの味付けにすることを想定している。カセットコンロは予備のボンベと共に用意。乾物や根菜類など日持ちする食品は意外に多い。「家にあるものを確認してから不足分のみを買い足して」と同協会。

 備蓄品をそろえても、しまい込んでいては賞味期限切れになる恐れもある。

 危機管理アドバイザーの国崎信江さんは「災害用として特別に準備するのではなく、いつもの食品をそれぞれ多めに備えるのがコツ。賞味期限の早いものから次々に使っては、新しいものを補充します」と提案する。これは「回転備蓄」などといわれる方法だ。

 国崎さんは保管場所も工夫するよう勧める。かさばる水のペットボトルはベッド下やクローゼットの空きスペースに分散させる。

 災害時には、傷みやすい冷蔵庫の中のものからまず食べ始める。冷蔵庫に、そのまま食べられるかまぼこやチーズなどを入れておくと便利。冷凍庫にも、自然解凍で食べられるカット野菜や調理済み食品を多めに入れておく。「冷凍食品は停電の時の保冷剤としても役立ちます」

 水や燃料を効率的に使う知恵も必要だ。料理研究家の坂本廣子(ひろこ)さんは、野菜はゆでずに蒸し、煮物は鍋を毛布などで包んで余熱で調理する方法を勧める。「普段から、災害時にどう料理するかイメージしておきましょう」と話している。(大森亜紀、小野仁)

 南海トラフ巨大地震 静岡県沖から四国、九州沖にかけて延びる南海トラフ(海底の溝)沿いを震源とする地震の中で、最大規模(マグニチュード9級)の地震。死者数の想定は最悪で約32万人。

■1週間分の備蓄例=大人2人分

 【】ペットボトル42l

 【主食】無洗米5kg/餅(真空パック)8個/パスタ、そうめん、うどんなど5袋(各300g)/インスタントラーメン4個/レトルトおかゆ2食分など

 【野菜・果物】イモ類、タマネギ各5個/ゴボウ1本/ニンニク1個/コーン缶、トマトソース缶各2缶/レトルトパスタソース(和風キノコ)2袋/切り干し大根、キクラゲ、干しシイタケ、乾燥ネギ各1袋/野菜ジュース8缶、フルーツ缶5缶/バナナ2~3本

 【肉類】ミートソース2缶/コンビーフや焼き鳥缶など8缶/レトルトカレー、牛丼のもと、マーボー豆腐のもと各2袋

 【魚類】魚肉ソーセージ4本/サケフレーク1瓶/ツナ缶など12缶/レトルトおでん2食分/かつお節4袋/桜エビ、ちりめんじゃこ各1袋

 【大豆・豆製品】豆乳400ml/高野豆腐1袋/大豆缶など6缶

 【乳製品】ロングライフ牛乳(200ml)2本

 【汁もの】インスタントスープ6食分

 【その他】ノリ、クラッカー、梅干し、春雨、カットわかめ、すりごま、ジャムなど

 (ベターホーム協会の資料をもとに作成)

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