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[遺伝のはなし]予防的切除 米国で普及

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 米国の女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが予防的乳腺切除を受けたニュースが、大きな注目を集めました。

 彼女の母親が、がんで亡くなっていて、遺伝子検査で「BRCA1」遺伝子に病的な変異があると確認されていた。アンジー自身にも同じ遺伝子変異が確認され、乳がんの発症リスクがかなり高いことがわかっていた――と伝えられていました。

 以前、このコラムでもお伝えしましたが、BRCA1遺伝子の病的変異があるということは、つまり「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」であるということ。HBOCは、乳がんや卵巣がんの発症リスクが高くなる遺伝性のがんです。

 彼女の場合、まだ乳がんを発症していたわけではありません。にもかかわらず、乳がんの発症を未然に防ぐため、両側の乳房を切除し再建したという行動に対し、「そんな選択肢が実際にあるのか」と多くの方が驚かれたのではないでしょうか。

 現状で最も効果的で積極的な予防法は、予防的外科手術です。米国では昨年、BRCA1/2遺伝子の変異がある女性の約80%が、乳房もしくは卵巣の切除などの予防的外科手術を受けていたとの報告がありました。民族や文化、保険制度など違いは様々ありますが、日本では予防的外科手術に対応できる施設はまだ限られています。

 しかしながら、様々な選択肢の中で何を重視し、何を優先するかで、それぞれの選択が違ってくるのは当然です。米国でも様々な議論を重ねて今のような状況になっていることから、日本でも今後、予防的外科手術が注目を集めていくでしょう。(四元淳子、昭和大病院認定遺伝カウンセラー)

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