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IgG4関連疾患…新しい病気 日本人が発見

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ステロイドが効果 がんとの区別重要

 従来は無関係と思われていた全身の臓器の病的な変化が、実は一つの病気に由来することを、日本人研究者が発見した。「IgG4関連疾患」と名付けられた免疫の病気で、世界的に注目されている。

臓器にこぶや腫れ

 この発見につながったのは、膵臓(すいぞう)の炎症で黄だんが現れる病気「自己免疫性膵炎」や、涙腺や唾液腺が腫れて視力障害が出る「ミクリッツ病」の研究だ。

 自己免疫性膵炎は、免疫反応の異常で膵臓が腫れる。炎症を抑えるステロイド(合成副腎皮質ホルモン)の内服が効くが、この病気が知られる以前は、がんと間違われて膵臓を切除される患者も多かった。

 信州大のグループは2001年、この病気の患者の血中に免疫たんぱく「IgG4」が多いことを報告した。Ig(免疫グロブリン)のG型は四つあるが、このうちIgG4はIgG全体の2%程度しかなく、機能もよく分かっていない。

 同じ時期、東京都立駒込病院消化器内科(現部長)の神沢輝実さんらは、自己免疫性膵炎の患者に胆管や唾液腺の腫れが多いため、患者の組織を調べたところ、膵臓以外に胆管や唾液腺、リンパ節などにもIgG4を分泌する細胞が多数集まっていた。そこで2003年、「IgG4関連全身性疾患」という新しい病気の概念を提唱した。

 ミクリッツ病は欧米では近年まで、涙腺や唾液腺の障害で目や口が乾く「シェーグレン症候群」の一種とされてきた。しかし日本の研究者らは、ステロイドがよく効き、IgG4の値が高いなどの特徴から、シェーグレン症候群とは違うことを突き止めた。さらに、他臓器の病的変化を伴いやすく、自己免疫性膵炎と共通点が多いことも2000年代後半までに分かった。

 これらの成果を総合し、厚生労働省研究班は、一連の症状や病的な変化を「IgG4関連疾患」と命名、11年に診断基準を作った。同年、米国での国際会議で世界にも認知された。神沢さんは「国内患者数は約3万人とされるが、もっと多いだろう」と話している。

 症状が表に現れるのは、自己免疫性膵炎や胆管炎、ミクリッツ病などだが、画像検査で全身の臓器にこぶや腫れが見つかることも多い。臓器は、甲状腺や肺、腎臓、大動脈、前立腺、肝臓など様々で、どの臓器に異常が見つかるかは患者によって違う。

 例えば、自己免疫性膵炎患者でミクリッツ病も合併するのは2、3割だ。合併が少ないほど診断が難しく、臓器のこぶや腫れは、がんと間違われやすい。

 がんと誤診しての手術は問題だが、逆に本当のがんを誤診してステロイドを処方するのも危険だ。免疫を下げる作用があるステロイドの処方は、致命的な影響を及ぼしかねない。医師はこの病気の正しい知識を持ち、画像診断や血液検査を行う必要がある。

 昨年には、この病気の研究者を集めた新たな厚労省研究班が結成された。

 班長を務める京都大教授の千葉勉さんは「ステロイドは効果的だが100%治るわけではなく、副作用もある。いったん治った後、服用を続けるべきかどうか、ステロイドに代わる治療法はないか、などを検討したい」と話している。(藤田勝)

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