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日野原重明の100歳からの人生

介護・シニア

ステッキで姿勢よく歩こう

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80段も一気にのぼりました

 私は今年4月29日から2泊3日で、九州の五島列島をたずね、カトリック信者が教会に立てこもって信仰を守った20の教会を訪れました。多くの教会は山の上や崖の上に建てられていました。3日目に訪れた大曽教会は80段も昇る小山の上にありました。

 私は3月上旬に胸椎骨折の手術を受けていたので、巡礼の案内役を務められた高木慶子シスターは、私がこの教会に行くのを止められました。ですが、私は体力がもどっているのを示したいと思って、頑張って昇ろうと決心したのです。

 その日は小雨模様でしたので傘を携えていたのですが、その傘を杖代わりにして少し低めの石段を一段一段ゆっくりと昇っていきました。すると、次第に体が軽くなってきたように感じられ、一気に上まで辿りつくことができました。私は思わずガッツポーズをとりました。

若く、ダンディに見られます

 そういえばこれまで何本かステッキをいただいたことがあるのを思い出しました。東京に帰って家の納戸を開けてみたところ、5本のステッキを発見したのです。その中には私が88歳の米寿を迎えたときに学士会からプレゼントされたものや、100歳のときに聖路加国際病院の人間ドック同窓会からプレゼントされたもの、韓国のソウルの工科大学で特別講演をしたときにいただいたものなどもありました。

 私は30歳の時には身長が168センチあったのですが、101歳の今は159センチに縮んでいます。残念ながら、いただいたステッキはいずれも今の私の身長には少々長すぎますから、今の私に合わせて82センチのものをたまに使っています。道路や坂道や階段を歩くときに体重をステッキに載せるようにすると、首は真直ぐ前方に向きますから姿勢がよくなりますし、周りからも若くなったとか、ダンディに見えるとかいわれ、なかなか好評のようです。

 私にとってステッキは、これまで「アクセサリー」だったのですが、実際に姿勢よく歩くことができる効果のあることがわかりました。

 みなさんにも私がステッキをついて颯爽と歩いている姿をお目にかけたいと思っています。

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日野原重明ブログ_顔120_120

日野原重明(ひのはら・しげあき)

誕生日:
1911年10月4日
聖路加国際病院名誉院長
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