すてきライフ
yomiDr.記事アーカイブ
出会いすべてから影響
同じ考えの人ばかりが周りにいたら、どんなに居心地がいいだろう――。映画「俺俺」は、主人公の男性がなぜか増殖し、分かり合える者同士、居心地のいい場所ができるという不思議な設定で物語が始まります。
私の役は、家電販売店で働く主人公と知り合ったミステリアスな女。映画では、主人公がどんどん増え、やがて幸せな関係が崩れます。他者を認められない自分の未熟さを気付かせるのが私の役目。本当に面白い話だと思いました。
「俺俺」のテーマにも通じるのですが、人間は、いろいろな人との関わり合いを通じて成長していくものだと思います。
俳優という仕事の存在を知ったのは、幼稚園の頃に祖父と見たドラマ「水戸黄門」でした。高校生で芸能界に入り、今日まで続けてこられたのも、様々な方々とのご縁があったから。作品のパーツとして、見る方の胸が躍るようなことがあればいい、という思いで仕事を続けてきました。出会ったすべての方に影響を受けましたし、今日までやってきたことに無駄はなかったと思っています。
感受性を豊かに、日々を大切に生きたい。現場でお会いする役者の先輩や、スタッフなどお世話になっている方の生きる姿が私を成長させ、心を豊かにさせてくれます。これからも心と体を大切に、俳優という仕事を続けたいと思っています。(聞き手・小山孝、写真・米山要)
◇
内田有紀(うちだゆき)さん 女優。1975年生まれ。92年にデビュー。映画「クワイエットルームにようこそ」(2007年)などに出演。「俺俺」は25日公開。
【関連記事】