変形性関節症
全ての指の第2関節が痛む
10か月ほど前から、握ると両手の全ての指の第2関節が痛み、重い物が持てません。骨に異常はなく、リウマチでもないと診断され、「軟骨が減っているだけで、治療の必要はない」と言われました。(59歳女性)
痛み広がればリウマチの可能性
岡井 隆広 河北総合病院リウマチ・関節・膠原病センター内科部長(東京都杉並区)
指の関節の痛みは、関節自体か、関節周囲が原因のものがあります。関節自体の痛みは、関節を包む滑膜の炎症や、軟骨の変性、関節内の結晶の沈着などによります。周囲が原因の痛みは、長時間指を使いすぎた結果、指を動かす腱とそれを支える腱鞘との摩擦による炎症や、運動やけがによる指の靱帯や周辺組織の損傷で起こります。
ご質問者の症状から考えられるのは、変形性関節症か、関節リウマチです。
変形性関節症は、加齢や負荷の蓄積で手足や脊椎の関節の軟骨が摩耗するのが原因です。指の第1関節や、手首のすぐ上の親指の根元の関節にも痛みがあれば、その可能性が高いと思われます。
症状が悪化しにくい病気であり、痛みがつらい時に、炎症や痛みを抑える薬を使い、患部を刺激しないようにテーピングなどで固定する治療を行います。
関節リウマチは、病原体から体を守る免疫の異常で、自分の細胞を攻撃して炎症を起こす膠原病の一つです。滑膜の炎症が進み、関節の機能に打撃を与えます。
発病して2年以内が最も進行が早く、早期に診断し、有効性の高い薬を始めることが重要です。発病初期や軽症であれば、エックス線検査では異常がないこともあります。
特に、他の関節に痛みが広がってきたり、腫れてきたりといった症状があれば、関節リウマチの可能性が否定できません。専門医の受診をお勧めします。