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「腎性糖尿」とはどんな病気? 日常生活の注意点は?

 先日、「腎性糖尿」と診断されました。「腎性糖尿」にはなにかしらの自覚症状はありますか。むくみや倦怠感があるのですが 関連はあるのでしょうか。日常生活での注意点も教えて下さい。(50歳女性)

腎臓の糖くみ上げ機能低下などが原因 心配はほぼ不要

渡辺毅 福島県立医科大学腎臓高血圧・糖尿病内分泌代謝内科主任教授(福島市)

 腎臓では糸球体という場所で、体の老廃物とともに、糖(ブドウ糖)やミネラル(ナトリウム、カリウムなど)などの血液中の小さな物質は、いったんはすべて尿の原液(原尿)の中に濾(こ)されます(濾過)。その後、原尿が尿細管という細い管を流れる間に、糖やミネラルなど体に必要な物質は再び血液へ取り込まれ(再吸収)たり、血液中に残った老廃物はさらに尿中へ排泄されます。その結果、最終的な尿が作られることで、必要な物質は体に保ち、老廃物のみを効率よく排泄することができます。

 ブドウ糖は体に必要な栄養源ですから、尿細管で、ブドウ糖の輸送体というポンプ(SGLTと名前がついています)を使って、すぐに血液中へ汲み上げられます(再吸収)。しかし、このポンプの力には限度あって、通常は血糖(血液中のブドウ糖濃度)が170mg/dlを超えると限界となり、汲み上げられなかったブドウ糖が最終的に尿に排泄されます。これを尿糖と呼びます。

 糖尿病でない方では、通常血糖は食後でも140mg/dlを超えませんから、尿糖は出ないことになります。ところが、このポンプの力が弱い方がおられて、この方は血糖が正常でもブドウ糖が尿に排泄されます。これを腎性糖尿と呼んで、糖尿病による尿糖と区別しています。

 診断は、血糖と尿糖の程度を同時に比較することで可能です。原因は、通常は、生まれつき(遺伝的に)にポンプの働きが弱い場合が多いようです。この方々は、それ以外に何の障害もないのが通常ですから、糖尿病のように、症状が出たり、体に障害を及ぼしたりすることはありませんので、何も心配することはありません。

 ただし、まれに尿細管を主に障害する腎臓病(尿細管障害や間質性腎炎など)が尿糖の原因になることもあります。この診断(鑑別)はやや専門的になりますので、腎臓を専門にする内科医にお願いするのが良いと思います。特に、むくみや倦怠感などの症状があるのであれば、その可能性は否定できませんので、腎臓専門医(腎臓内科)で一度相談してみてください。(日本専門医制評価・認定機構協力)

 
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