文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

社会保障ナビ

yomiDr.記事アーカイブ

ひきこもりサポーター制度

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック
作図・デザイン課 大庭純子

 自宅にひきこもりがちな若者が近所にいて、心配しています。地域で何かできることはないですか?

増員へ 市町村が養成も

 ひきこもりとは、厚生労働省によると、学校や職場での人間関係のつまずきなどから他人との交流を避け、家から出られない状態が半年以上続くケースを指す。20~49歳の1・14%が過去に経験しており、現在、ひきこもりの子どもがいる家庭は26万世帯と推計されている。

 中高生など青少年のイメージがあるひきこもりだが、長期化し、高齢化する傾向が見られる。期間が長引くほど社会復帰が難しくなるため、早期の発見と支援が重要だ。

 これまでは、都道府県や政令指定都市が作る「ひきこもり地域支援センター」のコーディネーターが中心となり、家庭訪問などを行ってきた。だが、担当区域が広く、支援の手が届かない人を探し出すのは難しかった。ひきこもった経緯や家庭状況が異なる人たちに、適切な支援を行うには人員も不足していた。

 このため、同省は今年度から、地域住民の力を借りて「ひきこもりサポーター」を増やそうと、制度の導入を自治体に求めることにした。

 サポーターになるには、支援センターが提供する無料の研修を受け、都道府県や政令指定都市に登録する。サポーターは、居住地の市町村から依頼を受け、ひきこもる子がいる家庭を訪問したり、地域で理解を広げる勉強会を開いたりする。ひきこもりの若者を発見し、公的な支援につなげる役割も担う。市町村が依頼した活動には日当と交通費が支払われる。

 サポーターの応募条件は、国は定めておらず、各自治体が決めることになる。ひきこもりの経験者やその家族が、悩んでいる親子の相談にのる「ピアサポート(仲間による支援)」の広がりが期待されている。

 ただ、自治体の実施体制には課題もある。支援センターを開設した都道府県、政令指定都市は今年2月で67自治体のうち36だけ。同省は設置を要請する一方、センターがなくてもサポーター養成はできることとした。都道府県がそれも行わない時は、市町村が独自に養成するのも可能だ。

 ひきこもりには、精神疾患が関係するケースもある。住民のサポーターには、自治体や専門家によるバックアップが欠かせない。(梅崎正直)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

社会保障ナビの一覧を見る

<PR情報>

最新記事