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[遺伝のはなし]出産時期 早くから考えて

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 胎児の染色体の数の異常が、母体年齢の上昇とともに増えることはご存じでしょうか。

 子どもに両親から半分ずつ遺伝情報を伝えるため、卵子は染色体(46本)の数を半分(23本)にする「減数分裂」によって作られます。卵子は、女性が胎児の時期に作られますが、減数分裂は途中で止まり、思春期以降の排卵の時に再開する仕組みになっています。

 卵巣の中で減数分裂を途中まで終えた数十万個の卵が、毎月の排卵の順番待ちをしているわけです。この待ち時間が長くなる、つまり、妊娠する年齢が高くなればなるほど、再開始時の分裂の間違いとそれによる染色体の数の異常も起こりやすくなる――と考えられています。

 卵子の排卵後の寿命はたった数時間で、その短い時間内に受精できると受精卵になります。しかし、仮に受精できたとしても着床に至らない卵も多く、中には途中で細胞分裂が止まってしまうものもあります。

 妊娠初期の流産率は一般に15%程度ですが、母体年齢が高くなるにつれ流産率も上昇します。流産した胎児の半分以上は、染色体の病気であることも分かっています。染色体の病気だけでなく、妊娠高血圧症候群など、妊娠・出産に伴う合併症も加齢で増えます。

 生殖医療の発展は、多くの方に妊娠の機会をもたらしました。それは喜ばしいことです。年齢を重ねた人の妊娠には精神的・経済的な余裕が生まれるなど、いい面もあります。しかし、妊娠や出産に伴う不都合な面を考えると、いつ子どもを産むかは、若いうちから考える必要のあるテーマといえるでしょう。(四元淳子、昭和大病院認定遺伝カウンセラー)

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