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遺伝のはなし

からだコラム

[遺伝のはなし]利点大きいカウンセリング

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 Aさんは30代から乳がんを繰り返し、40代で4回目の発症を経験しました。家族に乳がんの人はいませんが、遺伝子検査を受けることにしました。

 「遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)」は、乳がん患者の5~10%、卵巣がん患者の10~15%程度が当てはまると言われています。「BRCA1/2」と呼ばれる遺伝子に生まれつきの病的な変異があると、乳がんや卵巣がんを発症するリスクが高まります。

 上の世代から遺伝する場合とある世代から突然変異で始まる場合があります。このため、乳がんなどの人が家系にいないというだけでは、HBOCの可能性を否定できません。

 若く発症する、一度に複数の乳がんができる、家系内に乳がんや卵巣がん、膵臓(すいぞう)がんなどの患者が複数いるなどの条件に合うと、可能性があります。こうしたリスクを評価するのが遺伝カウンセリングで、遺伝子検査の前にAさんも受けました。

 検査の結果、AさんのBRCA遺伝子に病的な変異が見つかりました。もし、あらかじめ遺伝子の変異があると分かっていたら、乳房の全摘という手術方法が選ばれたかもしれません。これまで温存してきたため、残った乳腺に次々とがんができたと考えられるからです。

 このように遺伝性のがんと分かると、効果的な治療法や予防的な対策がとれることがあります。患者への利点は大きいでしょう。一方、頭では利点を理解しても、「怖い」「知りたくない」と気持ちがついていかない人もいます。そうした揺れる心に寄り添うのも、遺伝カウンセリングの大事な役割です。(四元淳子、昭和大病院認定遺伝カウンセラー)

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