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石井苗子の健康術

yomiDr.記事アーカイブ

先生だけを責めても教育はよくならない

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(心療内科に学校の先生の患者さまが増えました)

 今週の「暴言教諭」のニュースで最初に知りたかったことは、誰が録音したのかでした。事実は、2年生の児童が親から預かったICレコーダーを使って、授業を5日間も録音していたそうで、これには驚きました。

 校長に子どもが学校に行きたがらないと相談したところ、「授業には問題はない」と言われ納得がいかなかっので、録音させて証拠を作り、市教委に持ち込んだというのです。録音しているところを先生に見つかったらどうなっていたのか、他の児童に告げ口されていたらどうなっていたか。いずれにしても、子どもにとってなんというストレスだったでしょう。録音もさることながら、昨年の新学期から7か月間、2年生の児童は暴言につき合わされていたということになります。このストレスも相当なものです。

 キャリアの長い「厳しい指導で厚い信頼がある」と言われていた先生とのことで、暴言による処分は前例がないと懲戒処分にされず、現場復帰することになっていたところを、保護者に反対され研修を受けることで収まったと解説されています。この先生も重いストレスをかかえた最近の日々だったことでしょう。

 ひとりを対象としてクラス全体をまきこんだ形の苛めを強行する。これを私は経験したことがあります。小学校の時の思い出は、こんな年になっても残っているものです。以前ここに書いたかもしれませんが、私は給食が食べられず、放課後の掃除の時間になっても冷たくなった給食が埃まみれになって机に残っていて、他の同級生が掃除をしながら私のことを横目で見ているのを感じていました。

 先生に「食べるまで帰しません、家でおいしいものばかり食べているからそうなるんでしょ?」と言われ神経的にまいってしまい、朝ランドセルを背負って家を出ても近所を歩きまわって家に戻ってくるという不登校になりました。母にものすごく怒られ、神経性無食欲症(拒食症)になりガリガリでした。ほとんど学校に行けず、よく5年生に進級できたと思います。この話を同年代にすると「誰にでもひとつふたつぐらいはある、大げさに言うのはおかしい」と言われましたが、今から考えると、よく無事だったと思うのです。悲しさと怒りが固まりのようになっていました。

 ところが5年生の担任が給食をほんの少しの量から食べるというリハビリをしてくれました。少量を食べることで胃が動き、お腹がすく。あとでお腹がすいたらまた食べればいいとしてくれました。この先生のおかげで私は今、好き嫌いが全くありません。

 今になって、あの担任だった先生のストレスはどこにあったのだろうと思うのです。好き嫌いが激しい私が憎らしかったのかもしれません。「家でおいしいものばかり食べているんでしょ」と言う言葉が今更ながら思い出されます。

 先生ばかりを責めても、教育はよくならないと私は思います。現代社会の子どもは学校で何を学習しているのでしょうか。塾や個人の勉強でよい進学校を志すような時代になっています。規律正しい生活をすることを学校で習うのでもなく、何をしに学校にいくのでしょうか。親は何を期待しているのでしょうか。家での教育をどこまでと考えていけばいいのでしょうか。

 私が親なら、どうしただろうと思いました。

 子どもが顕著に暗い方向に変化していると気付いたら、まず学校に行かせないと思います。勉強が遅れる? そうかもしれません。となると私は状況と戦わない情けない親なのかもしれませんね。

 このままだと、学校の先生になりたいという人が減らないでしょうか。あるいはもう減って来ているのかとも思います。この7年間で、心療内科に学校の先生が多くいらっしゃるようになりました。学生や生徒の態度に腹を立てていらしたり、授業の他にやらなければならない雑用の多さに辟易していたりがとくに多いように感じます。

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石井苗子さん顔87

石井苗子(いしい・みつこ)

誕生日: 1954年2月25日

出身地: 東京都

職業:女優・ヘルスケアカウンセラー

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2件 のコメント

暴言のTV新聞ニュース見た

百桃

50代・東大卒とテロップ出て私は「有名大学卒(だから)」を、さも強調押し出す、メディアに対し、まっ先に疑問・疑念感じた。東大=勉学しかない、偏差...

50代・東大卒とテロップ出て私は「有名大学卒(だから)」を、さも強調押し出す、メディアに対し、まっ先に疑問・疑念感じた。

東大=勉学しかない、偏差値日本一難関とイメージつきまとう。

私は40代後半でこの方より下だが、同世代に近いや共通なのは、86年に男女雇用均等法に触れた世代。3~4歳プラスマイナス位だろう。

四半世紀位壇立ち時代と共にものごと、子供・保護者・学内の先生同士・ゆとり導入、そして実親・身内・友人の子供などその人の周りと自分が思うようなパーソナルに違和感と違和間が同時に蝕む心になったのかなと、勝手・独自判断にだがそう浮かんでしまった。

おそらくだが、この50代教師も、それに適応・柔軟さが不器用が故に至るものに近い感じがした。

勿論、罵詈雑言は、もってのほかに値。言葉の暴力・威力は付き纏うものは大人でさえ事実ある。

同じ先生同士や日頃のコミニケーション、上司や部下にはどう接してたのかが私は関心ある。

少し擁護な書き方だが、オープンマインドが開けるような仕事場や相談室やカリキュラム室、企業なら産業医と人事との連携の導入も有るようだが、なかなか教育界はメンタル面の事よりも、ガード堅い気がしてならない。

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納得です

みーちゃん

初コメントさせていただきます。私も三児の母です。学校の先生方は良い方ばかりで、子供たちをしっかり見てくださっています。なにか問題があると、直ぐに...

初コメントさせていただきます。
私も三児の母です。
学校の先生方は良い方ばかりで、子供たちをしっかり見てくださっています。
なにか問題があると、直ぐに対応してくださり、後のフォローもして気にかけてくださってます。

今は親のほうがおかしいのではないかな?と思うことは多々あります。
良い学校に入れたいから・・・
子供の将来の為と塾に通わせて(子供自身の自由に考えることはできているのか?)、無理ばかりしている子供が多いようにも感じてます。

周りを見て行動する、自己主張して意見を話す機会を奪っているのは、親自身ではないでしょうか?

子供たちをしっかり見てやらなければいけないのは、親自身・・・

先生方は、親とは違う意見で、いろいろなことを教えてくださる方、今後の子供自身の自立を助けていただける方・・・と、私は思っておりますが。

なかなかうまくはいかないのも、現代社会かなと思います。

長文で失礼しました。

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