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ボンジュール!パリからの健康便り

医療・健康・介護のコラム

「オステオパット」で腰痛消えた

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 パリに来てから3回、大きな腰痛に悩まされた。「大きな」というのはどのくらいかというと、朝目覚めた時に体が動かないほどである。目覚めて起き上がろうとしても起き上がれない。首から下がずしりと重く、自分の力ではどうしようもなかった。体を横にしようとすれば、全身に激痛が走った。あまりの激痛に、どこが痛いのかさえもわからない位だった。病院に行っても原因は分からなかった。結局いつも、痛み止めと筋肉弛緩剤で自然に良くなるのを待つのみである。

 ある時、友人が「オステオパットに行ったら?とても良い先生よ」と紹介してくれた。「オステオパット?」。聞くところによると、どうも整体のようなものらしい。ところが、行ってみると診察台の上に仰向けになり、先生は痛む腰を診るのではなく、頭蓋骨を触るか触らないか程度に指でなぞっている。

 ほとんど指は動いていないようなのに、頭の中が何となく動いているように感じた。骨盤の位置と背骨を見て、不思議な体勢で骨をボキッとならした。怖いけれど首もボキッ。そしてもう一度頭蓋骨をみる。

 今ではこのように骨全体をみるのだが、もともとは頭蓋骨のずれや硬膜の緊張を調整することで体調の改善を試みた療法らしい。先生は「頭を触ると大体のことが分かる」と言う。そしてオステオパットを一番必要としているのは新生児だとも。分娩室から出てきた赤ちゃんの頭をそっとなでながら、形を整えていくというのだ。もちろん両親と病院の許可がいる。産道を通って出てきた赤ちゃんの柔らかい頭蓋骨は変形していることが多く、ひどい時はあごがずれて顔が変形していることもあるらしい。

 オステオパット(英語はオステオパシー)は、1874年にアメリカのアンドリュー・テイラー・スティルによって創始され、1899年にウィリアム・ガナー・サザーランドによって新分野として開拓された。フランスでは、まだ国家試験もなく国家資格でもない。2002年にカイロプロクターと同種の職業としてやっと認められたばかりだ。もちろん保険も効かないので100%自費となる。それでもフランス人はオステオパットが好きなようだ。

 私も幾人目かのオステオパットの先生に腰痛をすっかり治して頂いた。それまでは、評判が良い先生にかかっても腰痛をぶりかえしていたのだ。80歳をゆうに越える白髪の品のある美しい先生は、優雅に的確に私の身体を整えてくれた。それ以来、腰痛はおさまっている。

今週のトピック

老化防止にたんぱく質や運動

 2011年にフランスで初めて老年医学を取り入れた、ヴァル・ド・マルヌ県のエミーユ・ルー病院が、50歳から70歳の健康な成人を対象に諸調査したところによると、老化防止対策として50歳からは、運動、食事、社会生活などに十分な注意が必要とした。高齢になるとあまり摂取しなくなるタンパク質をとることや、睡眠とも深く関係する運動不足の解消(1日30分、週5回の軽い運動)、そして若い世代と接触を持つことが老化防止対策になるとした。

 

■ 今週の一句

散る桜 心残りは 何一つ

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古田深雪(ふるた みゆき)

1992年渡仏。
1997年より医療通訳として病院勤務。

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